厚生労働省は、2021年10月27日に中央社会保険医療協議会(以下、中医協総会)を開催し、2022年度診療報酬改訂に向けて、訪問看護療養費についても審議しました。
そこで今回は、2022年の診療報酬改定における訪問看護に関する論点、そして利用者に応じた訪問看護の充実、診療報酬改定にスムーズに対応するための方法について解説します。
目次
1同一建物居住者に対する複数回・複数名の訪問看護の見直し
1-1難病等複数回訪問加算の見直し
1-2同一建物居住者の人数の明確化
1-3複数名訪問看護加算等の見直し
2退院支援指導加算について
3論点
3-1新型コロナウイルスをはじめとする感染症や重大な災害等が発生した場合でも必要な訪問看護を安定的に提供するための体制整備や連携の在り方について
3-2ICTを利用した在宅看取りについて
3-3在宅看取りについて、退院当日を含めた退院直後のターミナルケアの評価の在り方について
3-4機能強化型訪問看護ステーションに所属する専門性の高い看護師の評価の在り方について
4診療報酬改定にスムーズに対応するためには、「iBow」の活用を
5まとめ
同一建物居住者に対する複数回・複数名の訪問看護の見直し
2021年10月の中医協総会において、同一建物居住者に対する診療報酬の評価体系を見直すことが発表されました。
「同一建物居住者」とは、訪問看護事業所と同じ敷地内に住む利用者、または20人以上の利用者が住む集合住宅等のことを指します。
「難病等複数回訪問加算の見直し」「同一建物居住者の人数の明確化」「複数名訪問看護加算等の見直し」の3つが柱となります。
難病等複数回訪問加算の見直し
難病等複数回訪問加算は、「同一建物居住者」に対する複数回・複数名の訪問看護に対して「減算」となる仕組みです。わかりやすく言うと、「効率的に訪問看護を提供できる同一建物居住者に対して効率よく訪問できた場合に料金を少し安くします」というサービスです。
具体的な改定内容については、以下の通りです。
現行
・1日に2回の場合:4,500円の加算
・1日に3回以上の場合:8,000円の加算
2022年診療報酬改定後
・1日に2回の場合:
「同一建物内1人」「同一建物内2人」4,500円の加算
「同一建物内3人以上」4,000円の加算
・1日に3回以上の場合:
「同一建物内1人」「同一建物内2人」8,000円の加算
「同一建物内3人以上」7,200円の加算
同一建物居住者の人数の明確化
同一建物居住者に係る区分の算定方法を明確化するために、3つの加算が見直される予定です。
■基本療養費同一建物居住者のうち、1日に「訪問看護基本療養費」を算定する利用者数と「精神科訪問看護基本療養費」を算定する利用者数の合計とします。
■難病等複数訪問加算と精神科複数回訪問加算同一建物居住者のうち、1日に難病等複数回訪問加算または複数名精神科訪問看護加算を算定する利用者の人数によって算定します。
■複数名訪問看護加算と複数名精神科訪問看護加算同一建物居住者のうち、同じ日に複数名訪問看護加算または複数名精神科訪問看護加算を算定する利用者の人数によって算定します。
複数名訪問看護加算等の見直し
複数名の訪問看護師による訪問看護についても、以下のように改定される予定です。
現行
看護師等の複数名の訪問は4,500円の加算
2022年診療報酬改定後
看護師などの複数名の訪問は4,500円 ※同一建物内3人以上の場合4,000円の加算
退院支援指導加算について
退院支援指導加算について、2022年の診療報酬改定における算定内容はまだ確定されていません。
しかし、現状は訪問看護ステーションの約半数が退院日当日に長時間(90分以上)の訪問の経験があり、退院日当日に実施したケア内容では「医療処置」が最も多くを占めています。
また、退院支援指導加算の算定者数も増加傾向にあります。
以上のことを踏まえ、4月以降に算定要件などが変更になる可能性があります。
現在の診療報酬制度では、「退院支援指導加算」は、保険医療機関から退院するに当たり、訪問看護ステーションの看護師等が、退院当日に在宅での療養上必要な指導を行った場合に初日の指定訪問看護の実施日に1回限り訪問看護管理療養費に加算できるものとして、8,000円と定められています。
論点
2022年の診療報酬改定における訪問看護の論点は「同一建物居住者に対する複数回・複数名の訪問看護の見直し」以外にもあります。
新型コロナウイルスをはじめとする感染症や重大な災害等が発生した場合でも必要な訪問看護を安定的に提供するための体制整備や連携の在り方について
「新型コロナウイルス感染症」をはじめとするあらゆるパンデミックや、地震などの大規模災害が起こった際でも、必要な訪問看護を安定的に供給することが求められます。
そのために、普段から訪問看護ステーションとしてどのような備えを持つべきなのか、そして必要機関との連携をスムーズに図るための準備として何が必要なのかということが論点となります。
ICTを利用した在宅看取りについて
在宅看取りの場面において、離島等をはじめとし、現場に医師がすぐに駆けつけることが困難である場合に「ICTを利用した在宅看取り」が行われています。
現行の診療報酬では、医師が「ICTを用いた死亡診断等ガイドライン」に基づきICTを利用した看護師との連携による死亡診断を行った場合に、在宅患者訪問診療料の「死亡診断加算」を算定することが可能となっている一方、それをサポートする役割である訪問看護師への加算等の評価は存在していません。
医師が現場にいないことを踏まえ、訪問看護師への負担を艦見て、何らかの加算が設けられる可能性があります。
在宅看取りについて、退院当日を含めた退院直後のターミナルケアの評価の在り方について
現行の診療報酬制度では、退院当日の訪問看護においては、「訪問看護基本療養費」を算定することができません。
つまり、退院当日の看取りにおいては「訪問看護ターミナルケア療養費」も算定できないということになります。
在宅での看取りを想定して医療保険施設を退院する利用者も少なくない現状を踏まえ、2022年の診療報酬改訂では、退院当日を含め退院直後に在宅看取りとなった場合のターミナルケアに関する評価について検討される予定です。
機能強化型訪問看護ステーションに所属する専門性の高い看護師の評価の在り方について
在宅医療において、認定看護師・専門看護師等専門性の高い看護師におけるコンサルテーションや人材育成を実施している現状です。
これを踏まえ、機能強化型訪問看護ステーションに所属する専門性の高い看護師に対する評価について、検討される予定です。
診療報酬改定にスムーズに対応するためには、「iBow」の活用を
2年毎に行われる診療報酬改定は、訪問看護の運用に大きな影響があり、不安を抱えているステーション、訪問看護師が多いのではないでしょうか。
レセプト業務に大きな影響を受け、業務に支障が出ることも少なくないでしょう。
そこでおすすめしたいのが、訪問看護専用電子カルテシステム「iBow」です。
「iBow」は、診療報酬改定にも自動で対応していますので、診療報酬改定直後であっても戸惑うことなく通常通りレセプト業務を行えます。
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https://ewellibow.jp/kinou/receipt/まとめ
今回は、2022年度診療報酬改定について、現時点でわかっていること、また論点について解説しました。
高齢化に拍車がかかる我が国において、地域包括ケアシステムの一環として訪問看護の拡充は引き続き重要な課題であり、質の高いサービスを提供に見合った診療報酬改定がされると考えられます。
新たな診療報酬にスムーズに対応し、業務に支障を来さないためにもぜひ「iBow」を導入しましょう。