これから新しく訪問看護を始めるにあたり、不安になるのがコミュニケーション。コミュニケーションは看護師に求められるスキルの1つですが、病院やクリニックなどで働くときとは違い、1人で訪問先の利用者や家族に対応するため、信頼関係の構築は特に重要です。
そこでよい印象を与え、コミュニケーションを促進するために有効なのが「アイスブレイク」です。今回は、アイスブレイクの意味やその効果、訪問看護で活用できるシーンや使い方のポイントなどを紹介します。
目次
1.アイスブレイクとは
2.アイスブレイクの必要性
2-1.緊張をほぐす
2-2.相手を観察する
2-3.コミュニケーションを活発にする
3.訪問看護でのアイスブレイクの効果
3-1.利用者の状態を把握しやすくなる
3-2.治療への意欲や協力が得られる
3-3.信頼関係が構築できる
4.訪問看護でのアイスブレイク場面とは
4-1.利用者や家族に対して
4-2.同じスタッフに対して
4-3.医師や地域職員など外部に対して
5.まとめ
アイスブレイクとは
アイスブレイクとは、初対面の人と接する、対話を始めるきっかけとして使われるコミュニケーション手法です。知らない相手と何を話してよいか分からないという、気まずい緊張感を氷(アイス)に例え、その雰囲気を打ち砕く(ブレイクする)という意味で使われています。
いきなり本題に入るよりも、ワンクッション置くことで場の空気が和むため、1対1での会話はもちろん、会議や営業、交渉、研修、グループでのワークショップなど様々なシーンで活用されています。
時間は5〜10分程度、基本的には雑談や簡単なゲームなど、誰にでもできるシンプルな方法が用いられます。
アイスブレイクの必要性
ここで、アイスブレイクの必要性について考えてみましょう。訪問先でのアイスブレイクには、一般的に雑談がよく用いられるといえるでしょう。雑談の主な目的には、以下のようなものがあげられます。
緊張をほぐす
初回の訪問では、「どんな人なのだろう」と緊張してしまう人もいるのではないでしょうか。それは利用者も同じで、まだ知らない相手に対して不安を感じている人も少なくありません。
お互いが緊張したままでは、コミュニケーションもうまくいきません。アイスブレイクを使い場を和ませることで、お互いリラックスできる空間を作ります。
相手を観察する
アイスブレイクを使い話しかけることによって、相手を観察しやすくなることが期待できます。利用者の表情や応答など反応を見ることで、どのようにコミュニケーションを取るべきか判断するヒントにつながります。
利用者も、看護師が信頼できる人かどうかは印象や話し方で判断する傾向にあります。看護師は専門的な知識や技術が求められるのは当然ですが、医療知識のない一般の利用者には看護師のスキルを見極めるのは困難です。
アイスブレイクは、お互いの人柄を見る要素につながるのです。
コミュニケーションを活発にする
出会ってすぐに看護計画の説明をしても、一方的な進行では信頼関係を築くことは難しくなりますし、まだ親しくない相手の興味関心を瞬時に理解して話を進めるのはさらに困難です。
一般的にコミュニケーションは、言葉などを通じてお互いの考え方や気持ち、価値観などを伝えることであり、その積み重ねで関係を構築します。
初めは説明するだけで精一杯かもしれませんが、気持ちのやりとりも意識していく必要があります。自分が話すだけでなく、利用者や家族から聞き取りを行います。アイスブレイクによって、話ができるきっかけになり、コミュニケーションが活発になります。
訪問看護でのアイスブレイクの効果
アイスブレイクは場の雰囲気を和ませ、会話を促進するために活用されますが、訪問看護の現場ではどのような効果が得られるでしょうか。
利用者の状態を把握しやすくなる
アイスブレイクを取り入れることで、限られた時間の中でも利用者の体調や精神状態を観察することができます。訪問を重ねると、相手の反応がいつもと違っていたり、態度が変化していることに気づいたりするきっかけにつながります。
もし精神的な不安定などを検知したら、その原因を探るために最近の出来事や生活環境などコミュニケーションで情報収集していきましょう。
治療への意欲や協力が得られる
アイスブレイクによって相手が打ち解け、コミュニケーションが促進されれば、ケアに対する理解や協力が得られやすくなります。協力的であれば、処置もスムーズになり効率的なケアにつながります。
またスムーズなケアは利用者に対し質の高いケアを提供できることになり、満足度の向上にも良い影響を与えることでしょう。
信頼関係が構築できる
訪問看護の利用者は症状や生活環境、年齢や経験も様々で、その人に合わせたコミュニケーションが必要です。難しい専門用語を多用していないか、相手が納得できる説明をしているか、アイスブレイクを通してコミュニケーションを振り返ります。
相互理解が得られるようになれば、信頼関係を構築しやすくなり、心身のケアにもよい影響を与えるでしょう。
訪問看護でのアイスブレイク場面とは
訪問看護は、利用者1人に対し、家族だけでなく様々な外部の関係者と接点があるため、立場に応じたコミュニケーションと信頼関係の構築が必要です。どのような場面でアイスブレイクが必要になるかシミュレーションしておきましょう。
利用者や家族に対して
これまでも説明してきたように、まず利用者とその家族への適切な対応が求められます。分かりやすい説明を心がけること、専門家としての視点でアドバイスを行うことばかりではなく、相手の気持ちや考えを受け止めることも大切です。
まずは堅苦しい場にならないように天気の話や地域の話題、家にあるもので興味を引いたものなどについて話し、相手の反応や返答を受け止める姿勢を見せましょう。
同じスタッフに対して
訪問看護ステーションでは、1人で利用者宅に訪問するのが一般的で、疑問に思ってもすぐに相談する相手がいないことも考えられます。そのため、他のスタッフと口頭で情報共有や交流を行うことが大切になります。
ここでのアイスブレイクの目的は、活発な議論ができるようにすることです。交代で訪問している看護師、保健師やヘルパーなどの意見も取り入れて、最善のケア方法を話し合います。
医師や地域職員など外部に対して
訪問看護の現場では、医療機関の医師、看護師、医療相談員、自治体の職員、ケースワーカーなど様々な人との接点を持ちます。それぞれの立場の相手に対して正確で適切なコミュニケーションが必要です。
信頼性も重要な要素となるため、丁寧なあいさつ、簡潔で分かりやすい説明など、アイスブレイクでもこれらを意識して情報を正確に伝える姿勢を示しましょう。
まとめ
アイスブレイクでは「うまく伝えなければいけない」「気の利いた話をしなくてはいけない」などと考える人もいますが、必ずしも面白い話をしたり、場を盛り上げたりしなくてはならないということではありません。会話の内容やセンスの問題ではなく、場の空気を和ませてコミュニケーションにつなげることが目的です。
ただ注意しておきたいのは、全ての状況でアイスブレイクが効果的とは言えないことです。
利用者にも、誰とでも親しくなれる人もいれば、人と距離を置きたい人、信頼するまで時間のかかる人など様々です。コミュニケーションを通してその人の表情や姿勢を読み取り、効果がない場合は無理をせずに次の機会やタイミングを見計らい、時間をかけて関係を構築しましょう。
コミュニケーションを通して、その訪問が利用者にとってためになっているのか、自分は利用者のサポートになっているのかを見つめ直すことが大切です。
訪問看護専用 電子カルテ『iBow』では、他にも「お役立ち情報」で、雑談のポイントや適切な情報共有などコミュニケーションに関する記事を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
訪問看護におけるコミュニケーションのポイント!雑談を取り入れよう!
https://ewellibow.jp/useful/information_20220201/訪問看護におけるコミュニケーションにもICTを活用!正確で迅速な情報共有で利用者へのサービス向上を目指す
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