2022年は、2年に一度の診療報酬改定の年です。2月9日に行われた中央社会保健医療協議会・総会で改定の全貌が明らかになりました。
今回は、2022年度(令和4年度)の診療報酬改定のなかでも、訪問看護に関する改定項目について詳しく解説します。
2022年度(令和4年度)診療報酬改定の基本的な考え方
はじめに、2022年度(令和4年度)診療報酬改定における基本的な考え方を押さえておきましょう。
厚生労働省は、今回の診療報酬改定の基準として以下の4つを掲げています。
・新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築など医療を取り巻く課題への対応
・健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現
・患者・国民に身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現
・社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和
参考)厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要【全体概要版】」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000911804.pdfまた、「社会保障の機能強化と持続可能性の確保を通じて安心な暮らしを実現し、成長と分配の好循環の創出に貢献する」という視点も重要であるとしています。
簡単に言い換えると、「高齢化社会が落ち着いてくる一方で今後は少子化に伴う人口減少社会に向かうため、 医療サービスの生産性をあげ、ICTを活用して、 少ない人員で回る仕組みを作ろう」「給付と負担のバランスを見直して、社会保障制度の安定性・持続可能性を確保しよう」ということになります。
ここからは、訪問看護に関わる改定項目について4つご紹介していきます。
訪問看護指示書への理学療法士等の記載
まず、訪問看護指示書の記載欄の見直しについて解説します。
2021年度(令和3年度)の介護保険における介護報酬改定において、“理学療法士等の訪問看護の実施時間及び実施頻度等を訪問看護指示書に記載する”と定められたことを受け、医療保険における診療報酬改定でも同じように改定されることとなりました。
現行の診療報酬制度では、訪問看護指示書のリハビリテーションの項目について“理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問看護の一環として行うものについて1日あたり20・40・60・( )分を週( )回(注:介護保険の訪問看護を行う場合に記載)”と記載されています。
しかし、今回の改定ではこのうち“介護保険の訪問看護を行う場合に記載”という注釈がなくなり、医療保険における訪問看護においても記載が必要となります。
専門性の高い看護師による訪問看護における専門的な管理の評価の新設
今回の診療報酬改定では、専門性の高い看護師が訪問看護において専門的な管理を行った場合の評価も見直され、新たに加わった項目もあります。
新設されたのは、専門の研修を受けた看護師が訪問看護において「特定行為」を含む専門的な管理を実施する場合に、「専門管理加算」として1ヵ月に1回2,500円が加算されるというものです。
ここでいう「専門の研修」とは、緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア・人口膀胱ケアに係る研修を指し、算定対象となる利用者は以下の通りです。
・悪性腫瘍の鎮痛療法もしくは化学療法を行っている利用者
・真皮を越える褥瘡の状態にある利用者
・人工肛門もしくは人口膀胱を造設している者で管理が困難な利用者
また、「特定行為」には以下の医療行為が該当します。
・気管カニューレの交換
・胃ろうカテーテル・腸瘻カテーテル・胃ろうボタンの交換
・膀胱ろうカテーテルの交換
・褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
・創傷に対する陰圧閉鎖療法
・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
・脱水症状に対する輸液による補正
訪問看護における特定行為の手順書の交付に係る評価の新設
質の高い訪問看護の提供を推進する観点から、医師が訪問看護ステーション等の看護師に対して特定行為の実施に係る手順書を交付した場合の評価が新設されました。
具体的な内容としては、「手順書加算」として6ヵ月に1回、150点が加算されるというものです。
算定要件は、利用者の主治医が訪問看護において専門の管理を必要とする特定行為に係る管理の必要性を認め、利用者の同意を得て訪問看護ステーションの看護師に対して手順書を交付することとなります。
特定行為の内容は、「専門性の高い看護師による訪問看護における専門的な管理の評価の新設」と同様、以下の通りです。
・気管カニューレの交換
・胃ろうカテーテル・腸ろうカテーテル・胃ろうボタンの交換
・膀胱ろうカテーテルの交換
・褥瘡または慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
・創傷に対する陰圧閉鎖療法
・持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
・脱水症状に対する輸液による補正
複数の訪問看護ステーションによる24時間対応体制の見直し
利用者が安心して24時間対応を受けられる体制の整備を促進する目的で、複数の訪問看護ステーションが連携していることで加算される「24時間対応体制加算(訪問看護管理療養費)」についての項目が新たに追加されました。
まず、現行の算定要件は以下の通りです。
「2つの訪問看護ステーションが連携することによって24時間対応加算を算定できる場合」
・特別地域に所在する訪問看護ステーション
・医療を提供しているが医療資源の少ない地域に所在する訪問看護ステーション
今回の診療報酬改定では、上記に加え以下の項目が追加されました。
・業務継続計画を策定した上で自然災害等の発生に備えた地域の相互支援ネットワークに参画している訪問看護ステーション
また、「自然災害等の発生に備えた地域の相互支援ネットワーク」とは、以下の全てに該当している必要があります。
・都道府県、市町村または医療関係団体等が主催する事業
・自然災害や感染症等の発生により業務継続が困難な事態を想定して整備された事業
・都道府県、市町村または医療関係団体等が当該事業の調整等を行う事務局を設置し、当該事業に参画する訪問看護ステーション等の連絡先を管理している
診療報酬改定にも対応!『iBow』
これまで2022年度(令和4年度)の診療報酬改定について解説してきましたが、見直し項目が多く4月からのレセプト業務に不安を抱く人も多いことでしょう。
そこでおすすめしたいのが、訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』です。
『iBow』は診療報酬改定にも対応しているため、レセプト業務の効率化に一役買ってくれます。
利用者のニーズの多様化や慢性的な看護師不足による影響を受けている訪問看護の現場において、少しでも業務が効率化されることでスタッフの負担が軽減すれば、利用者への質の高い看護の提供にも繋がることでしょう。
まとめ
今回は、2022年度(令和4年度)の診療報酬改定について、訪問看護に影響のある項目を中心に解説しました。
2年毎・3年毎に改定される診療報酬制度や介護報酬制度の多数の見直し項目にスムーズに対応するためには、『iBow』の導入がおすすめです。
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