近年、DXという言葉をよく耳にするようになりました。インターネットを介して、テクノロジーを活用するという漠然としたイメージがあっても、明確にどのようなものなのか分からない、自分には関係がないと考えている人もいるのではないでしょうか。
実は政府もDX化の遅れを社会課題としており、ビジネス業界だけでなく医療業界にもDXが求められています。これからの訪問看護、地域包括ケアシステムには欠かせない要素となってくるでしょう。
そこで今回は、DXとは何か、なぜ必要なのか、また訪問看護事業におけるDXの役割などについて解説していきます。
目次
1.DXの定義
2.DX化が必要な理由
2-1.「2025年の崖」への対策
2-2.市場競争による経済の活性化
3.訪問看護のDX化とは
3-1.データ共有と活用
3-2.人材不足解消への取り組み
4.iBowの紹介
5.セミナー紹介
6.まとめ
DXの定義
DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、「デジタルによる変革」という意味になります。
厳密な定義は存在していませんが、もともとは2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したもので、「デジタル技術を活用して、生活やビジネスをより良い方向に変化させる」ことを示しています。
日本では、2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」を策定・公表し、DXを以下のように記しています。
企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面で、顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること
引用『DXレポート~ IT システム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』より
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/DX_report.pdfもう少し簡潔に言うと、デジタルやIT技術を活用して企業内部から変革を起こし、新しい製品やサービス、ビジネスモデルを作り広めていくこと。それが、生活やビジネスをより良い方向に導くという考え方です。
そのことから日本では、DXは企業の取り組みとして広がっていきました。
DX化が必要な理由
DXは、デジタルを活用してビジネスを変革することです。では、なぜDX化が推進されているのか、その必要性について考えていきましょう。
「2025年の崖」への対策
先に紹介した経済産業省のDXレポートでは、DX化を実現できなかった場合、2025年以降の日本は大きな経済損失を負うことになると問題を提起し、「2025年の崖」という表現を使用しています。
日本企業がDX化を進めなければ、既存システムはサポートサービス等がなくなり、維持・管理が難しくなります。その上セキュリティーの脅威や災害などの発生リスクも考慮すると、損失は年間12兆円に上ると予想しているのです。
分かりやすくするために、システムを冷蔵庫などの家電に例えてみましょう。冷蔵庫の型が古すぎると、修理をしても部品が製造されていない、対応できる修理屋がいないなどの問題が考えられます。
修理できてもコストや時間がかかる、エネルギー消費が悪くなるなど維持・管理が難しくなり、他の部分に影響が出ると最終的に動かなくなってしまう可能性があります。冷蔵庫がないと、生活は不便を強いられるうえ、状況によっては事故などにつながる危険性もあります。
つまりシステムが古くなると、サポートを受けられず修復するエンジニアもいないため、ビジネスの停滞、またはそれ以上の被害を出してしまう恐れがあるのです。将来の利便性・安全性のためにも、DXが重要であるとレポートでは指摘しているのです。
市場競争による経済の活性化
事業のDX化が促進されれば、利便性が向上し業務の効率化、生産性の向上、ビジネスの価値を創出する機会にもつながります。顧客のニーズが高くなるほど、企業の成長や利益になり、市場競争の中で優位性を得られる可能性が高くなります。
例えばトヨタは、コネクテッドカーや自動運転など、先進的な技術を駆使した自動車の開発に力を入れていますが、一方でこれまで消費者に「購入」を促していたビジネス体制から、月々の定額料金で「貸し出す」契約のサブスクリプションサービスを提供しています。
料金にはメンテナンスや維持に必要な経費が全て含まれており、利用の手軽さからも顧客のニーズに対応しています。新システム導入による変革で、市場の活性につながっている例と言えるでしょう。
訪問看護のDX化とは
医療業界もDX化への取り組みが進められています。その1つとして厚生労働省では、「データヘルス改革推進本部」を設け、ICTの活用を推進しています。ICTとは、「Information and Communication Technology」の略で、情報通信技術のことです。
参考)厚生労働省 データヘルス改革推進本部
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148743.htmlICTは、デジタルやITのようにDXを構成する要素として活用できる技術の1つで、いくつかのソリューションが考えられます。
データ共有と活用
ICTの目的は、データ共有とデータ活用です。データ共有では、医療機関、訪問看護ステーション、介護施設、そして自治体など、1人の在宅療養に対して様々な機関が関わります。そのとき、介護者の個人情報、症状、治療など知るべき情報を共有できることで、電話やメール、FAXでの確認などが必要なくなり、各機関でスムーズな対応が可能になります。
もう1つは医療・看護・介護のデータを徹底的に収集し、分析することで「フレイルを予防するためには何が有益か」「健康維持にはどのような食事がよいか」といった悩みに統計的な観点から提案することが可能になります。
人材不足解消への取り組み
労働人口が減少し、医療分野も人材不足が大きな課題となっています。データを活用することで、医師や看護師、介護士などの業務プロセスが効率化するため、少ない人数でも仕事が進められる労働IT化につながり、患者のケアに集中しやすくなります。
また、これまで「治療する」という医療体制から、「療養する」「予防する」という個人の主体性を促すことで家族や仲間、または地域で助け合う地域包括ケアシステムの構築につながります。
データヘルス改革推進本部では、カルテや処方せんなどの電子化をあげ、ガイドラインを策定していますが、民間企業ではスマートフォンを活用したナースコール、カメラのモニタリングによる見守り機能、遠隔での家族交流など、様々な取り組みが進められています。
訪問看護専用 電子カルテ『iBow』とは
訪問看護専用 電子カルテ『iBow』は、まさに訪問看護業務のDXと言えます。
電子カルテは業務の流れに沿って直観的に操作できるよう、ユーザー目線で作られており、簡単なボタン操作で計画書や報告書の作成も簡単に行えます。日々の記録が帳票と連動しているので、転記の必要もなく作業効率を向上させます。
また『iBow』では、訪問件数に応じた従量課金と定額の複合型サブスクリプションサービスで提供しています。カルテの電子化による効率性に加えて、ステーション事業に必要以上に負担をかけない仕組みになっています。
セミナー紹介
また『iBow』では、訪問看護事業でのDXをテーマにしたセミナーも開催しており、コロナ禍を機にどのような変革が考えられるか、訪問看護で期待されるDXとは何か、これから求められる看護の在り方など、充実した内容を解説しています。
「デジタル技術による変革が推進!訪問看護に求められるDXとは?」
https://ewellibow.jp/seminar/operation_2021127-7/ほかにも、様々なテーマで無料のセミナーを開催していますので、ぜひ参加してください。
まとめ
経済産業省のDXレポートでは、DXの遅れに対する課題を抽出したところ、「デジタルに対するビジョンと戦略の不足」が最も多いと報告しており、経営層の危機意識の重要性を指摘しています。
DXはビジネスの変革であり、経営戦略でもあります。2025年に超高齢社会を迎える中、訪問看護ステーションが人手不足にどう向き合うか、どれだけ多くの利用者に質の高いケアをできるか考えていきましょう。そのDXサポートとして、訪問看護専用 電子カルテ『iBow』を検討してみてはいかがでしょうか。