自分の足で歩けるということは、在宅での日常生活で欠かせないことのひとつです。高齢者の半分以上が足に問題を抱えているとされています。
足に問題が起こると歩行することが難しくなるため、普段からのケアが大切になるでしょう。今回は訪問看護で行うフットケアについて見ていきます。
1フットケアとは?
1-1フットケアの対象
1-2フットケアの種類
2フットケアの必要性
2-1高齢者へのフットケアの重要性
2-2フットケアの効果
3フットケアを行う際の注意点
3-1しっかりとアセスメントをする
3-2足浴後は水分を残さない
3-3爪の保湿も忘れない
3-4正しい爪の切り方をする
3-5いぼに注意
4『iBow』で記録時間短縮
5まとめ
フットケアとは?
そもそもフットケアとは足に対するケアをさしますが、どのようなものがあるのでしょうか?
フットケアの対象
フットケアは足病変がある方の改善や、足病変を予防するために行われるケアです。
足病変とは、足の形態や機能障害・感染を起こしており、日常生活を脅かす程、管理されていない足の病変とされています。
どのようなものが足病変になるのかというと、爪の病変や皮膚の病変、関節変形による病変に分けられます。
足病変は、爪の病変や皮膚の病変と関節変形による病変に分けられます。爪の病変は巻き爪、陥入爪、足白癬(あしはくせん)などがあり、皮膚の病変はたこ、うおのめ、白癬(はくせん)など、関節変形の病変は外反母趾(がいはんぼし)、内反小趾(ないはんしょうし)、偏平足などとなります。
また糖尿病や免疫力が低下する疾患を患っている方は足病変の予防のため、フットケアを予防的に行うことが大切とされています。
フットケアの種類
フットケアはどのようなことをするケアなのでしょうか。
フットケアには爪のケアやたこ、うおのめのケア、角質のケア、亀裂のケア、スキンケア、マッサージを行うことなどがあります。
爪のケアやたこ、うおのめのケアをすることで、爪が食い込んで傷を作ることを予防できますし、痛みからくる歩行困難を予防することにつながります。また角質化や亀裂を防ぐためのスキンケアを行うことやマッサージで血流を良くすることも、足病変を防ぐことにつながっているとされています。
フットケアの必要性
フットケアの重要性や効果について見ていきます。
高齢者へのフットケアの重要性
高齢者は2型糖尿病や薬の副作用で感染にかかりやすくなっている方も多いです。寝たきり状態の方でも、在宅で生活する人もいるでしょうさらに、高齢になることで、皮膚が乾燥することに加え、細胞分裂も遅くなることから傷の治癒も遅くなっていくことがわかっています。
高齢者自身にもフットケアの理解が低い状況であることも示されていることから、客観的にフットケアを行っていくことが足病変の悪化および予防で重要なことが考えられます。
フットケアの効果
フットケアを行うことで得られる効果は多く示されています。
まず、足の循環改善をすることで浮腫や乾燥などが改善されたり、下肢筋力・身体機能の改善で転倒不安の軽減をされたりとメリットが多く考えられます。
また、痛みが軽減することで立位のバランスも改善し、介護予防や要介護の進行予防にもつながっていくとされています。
フットケアを行う際の注意点
メリットが多くあるフットケアですが、ケアをする際に気をつけなければならない点も理解しておく必要があります。フットケアを行う際の注意点を見ていきましょう。
しっかりとアセスメントをする
まずは足の状態をしっかりとアセスメントを行うことから看護は始まります。
アセスメントする点としては、異常(たこやうおのめ、傷)の有無や皮膚の乾燥、浮腫、色などの状態観察、足全体および関節変形の有無と関節可動域、足の循環動態(足背動脈や膝窩動脈、大腿動脈の触知)を観察、普段使用している靴の状態を観察していきます。
また足の状態を見て観察するだけではなく、痛みがないかなど本人に聞く、歩行状態を見て転倒リスクがあるかどうかも観察することが大切になってくるでしょう。
足の状態や歩行状態を見ることと同じく、靴の状態にも目を向けましょう。靴のサイズや靴に衝撃吸収性能があるかどうか、しっかりと足をホールドすることができるかなどを観察して正しい靴の選び方を伝える必要もあるでしょう。
足浴後は水分を残さない
足浴をすることで足の清潔を保持できるほか、血流を良くする、リラックス効果、疲労感の緩和などの効果が得られるとされています。
しかし、足の末梢は身体の末端ということもあり、血流が悪くなりやすいです。血流が悪くなると傷ができると治りにくく、その傷から感染することも少なくありません。
足浴をして水分が残ると細菌感染症の原因である白癬菌(水虫)などの温床となりやすいので、しっかりと水分はふき取り、乾燥させて靴下などを履くようにしましょう。
爪の保湿も忘れない
爪も皮膚と同じで保湿が必要で、乾燥すると割れてしまうなどトラブルが起こってしまいます。長時間の足浴は油分を流してしまい、乾燥を起こしてしまうため適度な温度で行い、しっかりと爪を含めた保湿を行いましょう。
保湿は足が湿っている状態でワセリンや尿素入りの保湿剤で行うことが推奨されています。足全体に保湿を行うことは多いですが、意図的に爪までしっかりと保湿することはフットケアに関心がないと難しいでしょう。
正しい爪の切り方をする
爪の切り方は個々で違いますが、爪のトラブルを避けるためには正しい切り方をする必要があるとされています。
トラブルを避けるためには、入浴後の爪が柔らかい時に爪切りを行い、端から少しずつ切っていきます。先端がとがらないよう、四角い形になるように意識して、爪の先端が親指と同じ長さになるように調整していきます。
調節していく時に爪の両角を短く切り落とさないように注意しましょう。爪の角を切り落とすと皮膚に食い込んで炎症や痛みが生じやすくなるとされています。
利用者も長さや爪の形に好みがあるかもしれませんが、必要性をしっかり説明して行くことが大切です。訪問看護では時間に制限がありますが、あせらずに丁寧に爪切りを行うことを心がけましょう。
いぼに注意
たこやうおのめのケアが大切になってきますが、うおのめに似ているものでいぼというものがあります。
いぼは「疣贅(ゆうぜい)」ともよばれます。うおのめには血管が通っていませんが、いぼには点々と血管が見えます。間違って出血すると、他の部位にもいぼができてしまう可能性があり、傷がついた場所から感染を起こす場合も考えられます。
たこやうおのめはヤスリやグラインダー、コーンカッターという器具を使って徐々に削っていきますが、いぼと区別がつかない場合には、皮膚科を受診して医師の指示を仰ぎましょう。
『iBow』で記録時間短縮
フットケアはさまざまなケアを行い、どのようなケアをしているのかなど記録に残す必要があるでしょう。そのような時にどのような処置を行ったのかを毎回探すと時間のロスが出てくる可能性があります。
『iBow』では処置やケアの項目を自分の好きなようにカスタマイズすることが可能です。電子カルテに慣れていない方でも訪問看護記録を簡単に記入することができ、記録時間の短縮につながります。
まとめ
訪問看護でフットケアを行うことは利用者のADLを維持するために必要なことでしょう。糖尿病や感染にかかりやすい利用者には全身状態に関わってくることで、早期発見と早期治療が重要となってきます。
足の状態をただ観察するのではなく歩行状態や靴の観察、利用者本人の訴えまでアセスメントを行うようにしましょう。