地域包括ケアシステムの推進により、訪問看護ステーションの需要が高まる中、事業所全体の士気や生産性を高めるには、チームビルディングが不可欠な要素と言えます。チームビルディングは、特に経営者や管理者に求められるスキルの1つです。
そこでこの記事では、チームビルディングの必要性や、実践にあたって押さえておきたいポイントについて紹介します。チームビルディングのセミナー案内もあるので、ぜひチェックしてください。
目次
1チームビルディングとは
2チームビルディングの必要性
2-1スタッフの能力を高める
2-2事業のビジョンを明確にする
2-3役割と立場を把握する
3チームビルディングのコツは?
4訪問看護でチームビルディングを実践
5さらにチームビルディングを学ぼう!チームビルディングセミナー
6まとめ
チームビルディングとは
そもそも、チームビルディングとはどのような意味があるのでしょうか。改めて本質を理解しておきましょう。
チームビルディングとは、メンバーの能力や個性、経験を最大限に引き出しながら、目標を達成し成果を上げるチームを開発することです。一緒に力を合わせる、という意味ではチームワークに似ていますが、チームビルディングは力を合わせるだけでなく、成果を上げるための「組織づくり」に重点が置かれています。そのため、新規チームの作成やスタッフ育成、フォローアップなどに活用されています。
チームビルディングの必要性
では、なぜチームビルディングが必要なのでしょうか。事業にどのようなメリットがあるのか、その理由を挙げていきます。
スタッフの能力を高める
1つは、労働者の主体性を身につけることです。リーダーが指示を出してスタッフが従うという労働スタイルは、事業を維持できる可能性はあっても成長する見込みが高いとは言えません。今日のビジネスは競争が激しく、スピーディーな意思決定が求められています。その中で、スタッフ一人一人が自立的に行動できる組織体制が重要になってきます。
個々が高いパフォーマンスを発揮することができれば、スタッフのモチベーションが高まり、離職率の低下につながります。
事業のビジョンを明確にする
また、事業のビジョンを明確にするためにも必要です。スタッフの個々の能力を発揮しても、チームとして結果を出すことができなければ、事業の利益につなげるのは難しくなります。チームビルディングによって経営理念や目標を共有することで、結束力を高めることができます。
関係を強化し、目標を持つことで事業の活気や事業全体の利益につながります。
役割と立場を把握する
チームビルディングは、それぞれの意見や価値観、考え方を把握するためにも必要です。関係を構築していく中でコミュニケーションも活発になり、相互理解が進むことで、個々に合わせた適切な役割と責任を持ってもらうことができます。
これは管理・責任者とスタッフ間にとっても同じことが言えます。スタッフは現場、管理者はマネジメントなど、異なる目線を持っています。お互いの立場を理解・尊重し、協力し合えるチームの基盤をつくることができます。
チームビルディングのコツは?
チームビルディングは、ただメンバーを集め体制を整えるだけではなく、チームを開発していく必要があります。それには「タックマンモデル」がよく用いられます。これは、1965年にタックマンという心理学者が唱えたチームビルディングの手法で、チーム形成のプロセスを5段階に分けたものです。
メンバーの心理状態の変化に合わせながら、理想のチームを形成するコツを紹介します。
形成期:形成期は、チームを立ち上げた最初の段階です。メンバーはお互いのことがよく分からず、役割も決まっていません。チーム内は緊張感があり、様子をうかがっている状態です。
ここでのポイントは、チームを形成した目的や目標を明確にすることです。管理・運営者は、プロジェクトの内容などを話し、それぞれの意見を出し合ってもらいます。
混乱期:ここは、チームの目標が定まりプロジェクトが進行する段階です。この頃になると、チームから意見が出始めるようになり、意見の相違や不満、対立が生まれてきます。混乱期は、チームビルディングを行う中で必ずと言っていいほど発生し、またメンバーのモチベーションも下がりやすくなる時期と言われています。
そのため管理・運営者は、多様な価値観を認めて理解を深めるために、ポジティブな意見交換の場を設けることが大切です。議論を避けることでトラブルが回避しやすくなることも事実ですが、自由な意見や発想を閉じ込めてしまう可能性があるため、コミュニケーションの質に注意しながら議論を重ねましょう。
統一期:混乱期を乗り越えると、メンバー同士の意見や価値観を理解し、認め合うようになります。チームの団結力も強くなり、メンバーの役割も固まり安定してきます。
ここで管理・運営者は、チーム内のルールや進め方を決め、目標の再確認や役割の明確化を行いましょう。
機能期:今度は、それぞれがパフォーマンスを発揮・継続する段階に移行します。スタッフが主体的に動き始めますが、統一期から状況が安定していることもあり、チームを発展させるのが非常に難しいと言われる段階です。
これが管理・運営者にとって最大の難関とされており、進行状況の管理や行動力が重要になってきます。スタッフが個々の能力を発揮できるよう体制を整えたり、フォローしたりする必要があります。またチームの結束力を高めるアクティビティやメンタルケアなども有効です。
散会期:目標達成やチームメンバーの入れ替わりなどで、活動は終了段階になります。
ここでは、チームの努力をたたえましょう。ポジティブなフィードバックを交換したり、メンバー同士がねぎらいの言葉をかけたりしていれば、チームビルディングは成功と言えます。その後は、それぞれが新しいミッションやメンバーを迎える準備を始めます。
このように、ステーション内でチームビルディングを行うことは、スタッフ同士の結束力を高め、コミュニケーションの活性化、モチベーションの維持などに注力できるため、事業にとっても業績アップ、離職率の低下などさまざまな効果が期待できるのです。
訪問看護でチームビルディングを実践
ステーション内のチームワークだけでなく、訪問看護を含めた医療・介護業界では、特徴的なチームビルディングとして「多職種協働」が挙げられます。
多職種協働とは、異なる専門の職種が集まり、多様な視点を取り入れながら共通した目標(利用者のケアなど)に向かって働くことです。例えば1人の利用者に対し、医師・看護師・理学療法士、介護士、更にケアマネージャー、自治体職員、地域のボランティアなどさまざまな人々が関わります。
それぞれの専門家は、役割も見解も異なるため利用者に対するアプローチもさまざまです。それぞれの考えを理解しながら、意見を交換していくことが求められます。訪問看護でも、利用者宅に「1人で訪問する」のではなく、「チーム医療」の役割の1つとして意識を高めていくことが大切です。
厚生労働省でも、「多職種協働・地域連携」を推進し、チーム医療の在り方やマネジメント、チームアプローチなどをまとめています。
参考)厚生労働省「多職種協働・地域連携」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000114473.pdfさらにチームビルディングを学ぼう!チームビルディングセミナー
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まとめ
チームビルディングは、同じ目標に向かって個人が能力を発揮することで、事業全体の業績や利益にも影響を与えるものです。そのために経営ビジョンを明確にし、スタッフそれぞれがやる気を持って働けるステーションを目指しましょう。
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