看護師であれば、「学会に参加するように」あるいは「研究に取り組み学会で発表するように」などと言われたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、訪問看護に関わる看護師の学会参加の必要性、そして訪問看護関連の学会について解説します。
目次
1 学会・学術集会・学術大会の違いと目的
1-1学会
1-2学術集会・学術大会
2 訪問看護において学会参加が必要な理由
3 訪問看護に関する学会一覧
3-1日本在宅看護学会学術集会
3-2日本地域包括ケア学会
3-3日本褥瘡学会
3-4日本摂食嚥下リハビリテーション学会
5 まとめ
学会・学術集会・学術大会の違いと目的
まず、学会・学術集会・学術大会それぞれの特徴と目的について解説します。
学会
学会は、学者や研究者が自身の研究内容と成果を発表・報告し、その妥当性を検討する場です。活動内容やテーマは各学会により異なりますが、研究成果を発表し合うことでその分野を発展させることを目的としています。
学術集会・学術大会
学術集会と学術大会は一般的に同義に扱われます。これらは、ある特定の分野に興味のある人を対象とした集会です。学会ほど固くなく、情報共有や講習、意見交換などを目的としており、学者や研究者を対象としたものから一般の人でも参加しやすいものまで、さまざまなものがあります。
訪問看護において学会参加が必要な理由
訪問看護において学会参加が必要な理由は、在宅医療・訪問看護に関する最新の知識や技術に触れることで、スキルアップをめざせるからです。
看護や医療に関する知識や技術は日々進化しているため、看護師はどの分野で働いていても常に知見をアップデートする必要があります。
病院で勤めていれば、院内研修や勉強会などをとおして最新の知見に触れられます。一方、訪問看護ステーションにおいては、職場の規模はもちろんのことスタッフ数も少ないため、病院と同じように研修や勉強会を行うのは難しいこともあるでしょう。
そこで、学会への参加をおすすめします。
学会では研究成果の発表はもちろんのこと、看護や医療に関する試供品や資料をもらえることもあります。また、同じように在宅医療に携わる他の参加者との貴重な意見交換の場になりえます。参加する価値はあるでしょう。
訪問看護に関する学会一覧
ここからは、訪問看護師が参加しておきたい学会について解説します。
日本在宅看護学会学術集会
日本在宅看護学会学術集会は、一般社団法人日本在宅看護学会が主催する学術集会です。
2022年11月に行われた第12回のテーマは「在宅看護のサステナビリティ」でした。2025年問題や2040年問題を踏まえ、社会保障システムそのものの持続可能性について課題を把握し、共有するものです。
また、さらに1年前に開催された第11回のテーマは「危機の時代における在宅看護の覚悟と挑戦」であり、近年頻回に発生している自然災害や異常気象、また新型コロナウイルスが在宅看護に及ぼす影響や支援について、討論が行われました。
日本在宅看護学会学術集会では、毎年、在宅看護のあり方やわが国を取り巻く環境の変化などについて注目したテーマが選定されます。訪問看護師として地域医療に携わるためには、ぜひ参加しておきたい学会であるといえます。
日本在宅看護学会では、年に1回の学術集会以外にも、在宅看護について、いつでもどこでも学べるE-learningも提供されているため、まずはそちらからチェックしてみてください。
日本地域包括ケア学会
日本地域包括ケア学会は、少子高齢化による在宅医療の変化や2040年問題への対策として設立されました。地域包括ケアシステムは、地域における住まいや医療、介護、予防、生活支援のサービスを一体的に提供するためのもので、それぞれの分野における専門家の活躍が期待されます。
もちろん看護師に対しても、地域包括ケアシステムにおける専門性の発揮が求められ、在宅で療養する患者の生活や医療をより良いものにしていく使命を担っています。そのためには、地域包括ケアシステムの概要や多職種連携についての知識が必要です。看護師以外の職種も多数参加する、日本地域包括ケア学会に参加してみてはいかがでしょうか。
日本褥瘡学会
在宅療養患者のなかには、さまざまな疾患や障害により、寝たきり状態の人や日常生活において全般的な介助を必要とする人、長期臥床を必要とする人が多くいます。このようなケースの場合、褥瘡発生リスクは高くなります。
訪問看護においては、病院や施設などと比較すると看護師が患者を直接ケアする時間や機会が限られているため、褥瘡リスクのアセスメントや早期発見、適切な処置がより重要であるといえます。そのため、在宅看護に関わる看護師は、褥瘡リスクアセスメントや処置方法について正しい知識を身につけ実践する必要があります。
日本褥瘡学会においては、看護師以外にも在宅療養をサポートする医師や理学療法士、栄養士、薬剤師などさまざまな職種の人が参加し、それぞれの視点から褥瘡に関する研究や検討を行っています。看護師にとっても、褥瘡に関する知識や技術を深めるのに非常に良い機会であるといえますので、ぜひ参加しておきたいものです。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会
日本摂食嚥下リハビリテーション学会も、訪問看護師が参加しておきたい学会の一つです。日本摂食嚥下リハビリテーション学会では、摂食嚥下に関するさまざまな内容をテーマに設定した学術集会が毎年開催されています。
在宅療養中の患者のなかには、摂食・嚥下機能が低下している人も多くいます。経口摂取を可能にするために食形態の工夫や食事介助を必要とすることもあれば、経管栄養や胃ろう・腸ろうによる栄養摂取を必要としている人もおり、患者の背景はさまざまです。
看護師が摂食嚥下に関する多様なニーズに対応するためには、正しい知識と技術が必要です。また、「口から食べる」ことを目標に療養を頑張っている患者も多くいるため、その意志をサポートするのも看護師の大切な役割です。日本摂食嚥下リハビリテーション学会への参加は、それらに関することを学ぶ貴重な機会になることでしょう。ぜひ参加してみてください。
まとめ
今回は、訪問看護師が参加しておきたい学会や学術集会について解説しました。在宅医療・看護に関する学会は多数開催されているため、まずは興味をもったものから参加してみましょう。
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