医療機関を退院した直後における利用者の訪問看護について、退院日当日の訪問看護が可能であるかどうか気になる人も少なくないことでしょう。
そこで今回は、退院日の訪問看護について解説します。
目次
1 原則として退院日当日の訪問看護は認められていない
2 例外1.退院日に医療保険で訪問看護を受けられるケース
2-1厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)に該当する場合
2-2厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する場合
2-3特別訪問看護指示書が交付された場合
3 例外2.退院日に介護保険で訪問看護を受けられるケース
4 訪問看護による退院支援は退院日当日の訪問看護だけではない
5 訪問看護には『iBow』
6 まとめ
原則として退院日当日の訪問看護は認められていない
令和4年現在、退院日当日は入院中という扱いとなるため、原則として退院日当日の保険を使った訪問看護は認められていません。これは、退院日当日に必要な医療的処置などは入院中の医療機関で行えばよいという考えのもとです。
例外1.退院日に医療保険で訪問看護を受けられるケース
退院日当日の訪問看護は原則として認められていませんが、例外として退院日当日に訪問看護を受けられるケースもあります。医療保険において、退院日当日に訪問看護を受けられるケースについて解説します。
厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)に該当する場合
利用者の疾病が、厚生労働大臣が定める疾病等(別表7)に該当する場合は、退院日当日からの訪問看護の実施が認められています。ただし、訪問看護指示書の日付が退院日からとなっている必要があるため注意が必要です。
またこの場合、訪問看護にかかる診療報酬の請求は、退院日当日ではなく、退院日翌日以降に訪問看護を提供した際に「退院支援指導加算」を請求する形となります。
別表7に該当する疾病は以下のとおりです。
・末期の悪性腫瘍
・多発性硬化症
・重症筋無力症
・スモン
・筋萎縮性側索硬化症
・脊髄小脳変性症
・ハンチントン病
・進行性筋ジストロフィー症
・パーキンソン病関連疾患
・多系統萎縮症
・プリオン病
・亜急性硬化性全脳炎
・ライソゾーム病
・副腎白質ジストロフィー
・脊髄性筋萎縮症
・球脊髄性筋萎縮症
・慢性炎症性脱髄性多発神経炎
・後天性免疫不全症候群
・脊髄損傷
・人工呼吸器を使用している状態
厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する場合
利用者が、厚生労働大臣の定める状態等(別表8)に該当する場合も、退院日当日から訪問看護を受けられます。
別表8に該当する状態は、以下のとおりです。
・在宅悪性腫瘍等患者指導管理または在宅気管切開患者指導管理を受けている状態
・気管カニューレもしくは留置カテーテルを使用している状態
・在宅自己腹膜灌流指導管理
・在宅酸素療法指導管理
・在宅中心静脈栄養法指導管理
・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
・在宅自己導尿指導管理
・在宅人工呼吸指導管理
・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
・在宅自己疼痛管理指導管理
・在宅肺高血圧症患者指導管理
・在宅血液透析指導管理
を受けている状態
・人工肛門または人工膀胱を設置している状態
・真皮を超える褥瘡の状態
・在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
特別訪問看護指示書が交付された場合
主治医が、利用者に対して退院直後に週4日以上の頻回な訪問が必要であると判断し、特別訪問看護指示書を交付した場合にも、退院日当日から訪問看護を受けられます。特別訪問看護指示書が交付された場合は、交付日から14日以内は毎日訪問看護を受けられますが、交付日が退院日当日の日付になっていなければ退院日当日の訪問看護は認められないため、注意が必要です。
例外2.退院日に介護保険で訪問看護を受けられるケース
介護保険においても、令和3年の介護報酬改定に伴い、利用者が厚生労働大臣の定める状態等(別表8)に該当する場合、つまり特別管理加算の対象者は退院日当日からの訪問看護が可能となりました。別表8に該当する状態とは、「例外1.退院日に医療保険で訪問看護を受けられるケース 厚生労働大臣が定める状態等(別表8)に該当する場合」で紹介したものと同様です。
訪問看護による退院支援は退院日当日の訪問看護だけではない
利用者が医療機関を退院した後、安全に在宅での療養生活を始めるには、訪問看護をはじめとしたさまざまなサポートが必要です。
訪問看護として医師の指示に基づく退院日当日の訪問看護の提供だけでなく、「退院時共同指導」という支援も可能です。これは、利用者が医療機関を退院するにあたって、入院中に主治医や訪問看護師、利用者の家族、ケアマネージャーなどが集まりカンファレンスを行うことで、在宅での安全な療養生活をめざすものです。
訪問看護には『iBow』
入院していた利用者が在宅生活に移る際には、医療機関の医師や看護師と訪問看護師との連携が必要不可欠です。また、在宅療養中に再度医療機関への受診や入院が必要となるケースもあります。そのため、医療機関側と訪問看護ステーション側は利用者についてスムーズに情報共有しておくことが重要です。訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』を活用すれば、関連機関との情報共有に必要な書類を簡単に作成できるため、おすすめです。
また、退院日当日のレセプト請求にも『iBow』を活用できます。レセプト業務や制度などに関して不明点などがあれば、いつでもカスタマーサポートに問い合わせが可能であり、専門職員による訪問看護の複雑な制度に関する説明などのサポートを受けられます。
まとめ
今回は、退院日の訪問看護について解説しました。
退院日当日の訪問看護は原則として認められていませんが、条件を満たした場合にのみ、退院日当日の訪問看護が認められます。
退院時の他職種連携や複雑なレセプト業務には、訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』を活用しましょう。