近年の入院日数の短縮化により、病気や障害を持ちながらも自宅で生活する方が増えてきています。厚生労働省が2008年に「安心と希望の医療確保ビジョン」では、在宅看護では「治す」ことだけではなく利用者を「支える」という役割が求められるようになってきています。
今回は、訪問看護に興味がある方のために、訪問看護の役割や仕事内容について説明します。
目次
1訪問看護の現状
2訪問看護の目的とは
3訪問看護の役割と具体的な仕事内容
3-1病状の観察
3-2在宅療養中の世話
3-3介護予防
3-4医師の指示による医療処置
3-5褥瘡処置・予防
3-6リハビリテーション
3-7認知症・精神疾患のケア
3-8服薬管理・指導
3-9医療機器の管理
3-10家族支援
3-11ターミナルケア
3-12地域との多職種連携
4『iBow』の紹介
5まとめ
訪問看護の現状
介護保険制度で訪問看護を実施できるのはhoumonnkannと医療機関です。そのうち訪問看護ステーションは、2010年から2020年にかけて約2倍の事業所数に増えています。訪問看護の利用者の疾患として最も多いのは脳血管疾患で、次に認知症、悪性腫瘍です。そのほかにも、心疾患や精神疾患などもあります。
参考)厚生労働省「介護給付費実態統計 結果の概要」一方で、訪問看護師の不足や利用者が増えないなどの理由で赤字経営の訪問看護ステーションもあります。「訪問看護アクションプラン2025」では、2025年に向けて「訪問看護の量的拡大」「訪問看護の機能拡大」「訪問看護の質の向上」「地域包括ケアシステムへの対応」の達成を目指しています。
訪問看護の目的とは
訪問看護の目的とは、病気や障害を持っている方が自宅でその人らしく過ごすことができるように、健康状態の観察や看護を行うことです。訪問看護師は医師からの指示に基づいて、医療的ケアや処置なども必要に応じて行います。また一部の訪問看護ステーションでは、24時間の電話相談を受け付けていたり、緊急対応できる体制が整っていたりする所もあります。
訪問時間や訪問回数は、医療保険の場合と介護保険の場合で異なります。また、特別管理加算の対象者であれば1日複数回の訪問看護を利用することも可能です。
訪問看護の役割と具体的な仕事内容
訪問看護の役割は、自宅で過ごす利用者の生活を支えるためのサポートを行うことで、大きく分けて「療養上の世話」と「地域との多職種連携」と「診療の補助」の3つです。「療養上の世話」はその中でも11項目に分類することができます。それぞれ具体的にどのようなものか説明していきます。
病状の観察
訪問看護師のメインとなる役割は、利用者の病状観察です。利用者宅では、血圧や脈拍などのバイタルサイン測定を行い、そこから異常がないかどうかをアセスメントします。バイタルサイン測定だけではなく、呼吸状態や食事摂取量の確認、服薬状況などを総合的に観察し、必要な看護計画を立案します。
在宅療養中の世話
利用者の日常生活の介助も訪問看護師の大事な役割の一つです。入浴や清拭、爪切り、排泄管理など、病状に合わせて必要な介助があれば実施します。また、家族などの介助者がいる場合には、状態に合わせて協力することもあります。
介護予防
訪問看護は病院のようにすぐに治療できる場ではないため、日常生活の中での予防が重要となってきます。褥瘡のリスクがある利用者の場合は寝具を調整したり、保湿ケアなどを行ったりします。肺炎リスクの高い方は、口腔ケアや嚥下機能リハビリ、食事指導などが効果的です。
転倒のリスクが高い方の場合は、ベッドの高さを調節したり、住環境につまずきやすいものや段差などがないか確認したりします。必要であれば手すりの設置なども検討します。
医師の指示による医療処置
訪問看護は、医師からの「訪問看護指示書」に基づいて医療処置を行います。例えば、利用者の身体状況や病状から必要な点滴や吸引、採血などの実施です。状況により書面ではなく口頭での指示になる場合は、必ず指示書への追記や看護記録への記載を忘れないようにしましょう。
褥瘡処置・予防
訪問看護の利用者は高齢者や寝たきりの方が多く、褥瘡のリスクが高い方が多くいます。褥瘡の処置を行うこともありますが、褥瘡にならないように予防介入することが重要です。具体的には、寝具の調整や保湿ケア、住環境の整備などがあります。栄養状態が悪い場合や、被覆材での保護が必要な場合などは、医師と連携を取り必要な看護を検討することもあります。
リハビリテーション
訪問看護で訪問するのは看護師だけではありません。必要に応じて、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士に訪問してもらうこともあります。怪我や術後などの治療目的でのリハビリテーションだけではなく、筋力維持や転倒予防などの予防的観点からもリハビリテーションは重要です。
寝たきりの方や障害のある方だけでなく、廃用症候群や拘縮などの予防にもリハビリテーションは効果的とされています。
認知症・精神疾患のケア
認知症や精神疾患罹患者による訪問看護の利用も増加傾向にあります。中には独居の方や、家族の協力が得られない方もいます。そのような方が安全に自宅で過ごせるよう、日常生活の援助や服薬管理を行うのです。訪問看護の特徴としてすべてを介助してしまうのではなく、本人の状況に合わせてできることを尊重していく関わりが大切です。
服薬管理・指導
訪問看護で毎日訪問するのは難しい場合もあります。そのような場合に大切なのが、利用者本人が自宅で内服を継続できるための支援・工夫です。必要に応じて服薬カレンダーを作成したり、薬の一包化を薬局に依頼したりします。
医療機器の管理
人工呼吸器や吸引器などは、専門の業者と連携し管理する必要があります。医療機器に異常がないかを確認したり、トラブルシューティングを行ったりして安全に医療機器を取り扱えるようにしておきます。
家族支援
利用者が在宅で生活するにあたって、家族への支援はとても重要です。看護師の専門的観点からアドバイスをしたり、家族の不安を傾聴したりします。
ターミナルケア
訪問看護の利用者の中には、最期を自宅で迎えたいと考えている方もいます。ターミナルケアでは、本人が苦痛なく過ごせるような身体的ケア、本人や家族が安心して最期を迎えるための精神的ケア、福祉サービスの利用料金などの経済的な不安を減らすための社会的ケアがあります。大切なことは、本人や家族の意思決定を支えることです。
地域との多職種連携
訪問看護においては、自宅での生活に欠かせない多職種との連携が重要となってきます。在宅は病院とは違い、専門職が近くにいません。そのため、在宅で過ごす本人や家族の不安が強かったり、問題点が発生したりします。そのような時に、訪問看護師が多職種と連携を取り、本人・家族の支援を行います。
具体的には、薬剤師と連携し服薬管理を行う、医療メーカーと連携し人工呼吸器などの医療機器の管理、リハビリスタッフによる筋力低下・維持、ケアマネジャーと協働し福祉サービスを受けるなどがあげられます。
『iBow』の紹介
訪問看護専用電子カルテ『iBow』は、訪問看護ステーションの安定した経営におすすめです。訪問看護では利用者の在宅訪問が売上につながりますが、看護師は訪問以外にも看護記録の作成などを行わなくてはいけません。
『iBow』は、タブレットで記録を入力することができるため、移動中などの時間を有効活用することができます。また看護記録のテンプレートを使用することで、記録の入力時間を大幅に削減することができます。
『iBow』を導入することで訪問看護師の業務負担が減り、結果として訪問看護師のワークライフバランスを充実させることが可能です。
まとめ
今回は訪問看護の役割と具体的な仕事内容について説明しました。『iBow』を使用して安定した訪問看護ステーションを運営できるようにしていきましょう。