「訪問看護におけるリハビリの評価方法がわからない」「評価法が多くて何を使えばよいのかわからない」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。効果的なリハビリ評価を行うためには、目的を考えてから評価方法を選ぶ必要があります。
この記事では、リハビリ評価の目的や6つの評価法について解説します。
〈目次〉
1訪問看護におけるリハビリ評価の重要性
2おすすめ!6つのリハビリ評価指標
2-1BBS/Berg Balance Scale(バーグバランススケール)
2-2興味関心チェックシート
2-3修正Brogスケール
2-4MNA
2-5効果の見える生活期リハビリテーション評価表(訪問版)
2-6リハビリテーション評価指標
3リハビリスタッフにも便利な訪問看護専用カルテ『iBow』
4まとめ
訪問看護におけるリハビリ評価の重要性
訪問看護におけるリハビリ評価が重要な理由は、利用者の状態を把握する指標となるからです。「自分の足で歩けるようになりたい」「家族と旅行に行きたい」といった利用者の目標を叶えるために活用されています。
リハビリ評価により利用者の状況を可視化することで、利用者に目標までの現在地を理解してもらえます。またリハビリスタッフは、利用者に評価結果をフィードバックし、目標達成するための計画を作成します。利用者との信頼関係を構築する重要な過程です。
しかし、リハビリ評価を適切に活用できなければ、利用者との信頼関係の低下につながる可能性があります。利用者の目標によって評価内容が異なるため、目標に適した評価表の選択が必要です。
たとえば「家族と遠出できるようになりたい」という利用者の目標に対して、関節可動域の評価しか実施していないとします。本来であれば、バランス評価や歩行時における呼吸困難の程度など総合的な評価を用いて問題点を抽出する必要な状況ですが、必要な情報が足りないためプログラム検討時に困ります。
もし目標に対する適切な評価指標の選択に不安がある場合は、先輩スタッフに相談してから実践するとよいでしょう。
どのような目的でリハビリ評価を実施するのか、目標に対してどのようなリハビリが適しているのかなどの説明も必ず求められます。説明が不足してしまうと、「今行っている運動はどんな効果があるのか?役に立つのか?」と利用者が不安に思ってしまう可能性があるからです。
特に、サービス開始序盤の信頼関係が十分に構築されていない状況では、これから実施する内容を利用者が理解できるように関わるのを心がけましょう。
簡単に解説!訪問看護における6つのリハビリ評価法
リハビリ評価法によって対象者や目的が異なります。利用者には今何が必要なのかを見極めて選びましょう。
BBS Berg Balance Scale(バーグバランススケール)
BBSは、バランス機能を評価するための指標です。主な評価対象としては、高齢者や脳梗塞・脳神経変性疾患を有する患者など、バランス機能の低下が見られる方になります。
評価項目には「椅子からの立ち上がり」「立位保持」などの基本的な機能から「フェンクショナルリーチ」「タンデム立位」などの高度な機能まで計14項目あります。各検査項目で当てはまる最も低い点数をチェックし、その点数を集計して評価します。
また評価中で転倒する方も少なくありません。周りの環境整備やご本人に十分な注意を払って行いましょう。15〜20分かかるので、時間の確保が難しい場合はほかの評価法がおすすめです。
興味関心チェックシート
興味関心チェックシートは、利用者の関心や希望を引き出す際に役立つツールです。今後の目標や理想を聞かれたときに、何も浮かばない方も多いでしょう。
そんな時に興味関心チェックシートがあると、より具体的な目標設定が可能です。シートの使いやすさから、利用しているリハビリスタッフは多くいらっしゃいます。
シートの項目には日常生活動作だけでなく、ボランティアや地域活動などの社会参加、読書やカラオケなどの余暇活動についてもされているため、利用者の嗜好を幅広く理解できるでしょう。
シートに記載されているそれぞれの項目に対して「している」「してみたい」「興味がある」の3つに○×をつけたあと、リハビリスタッフが計画立案に応用します。
修正Brogスケール
修正Brogスケールは、主観的な呼吸困難の程度を12段階で評価可能です。COPD患者が運動を行うときの身体機能評価として利用されています。
がん患者にも利用されている場合がありますが、研究報告が少ないため、さらなる検証が必要といわれています。
「非常に弱い」「かなり強い」などの状態で表し、ポイント6は2の3倍、ポイント8は2の4倍といった評価を行います。状態の程度で表すため、同じ対象者の時間的変化の把握にも優れているのです。また短時間で簡単に調査できる点も、現場でも使われやすいポイントになります。
MNA
MNA(簡易栄養状態評価表)は、栄養状態を評価するための質問形式ツールです。栄養評価は血液生化学検査を必要とする場合がありますが、MNAでは使用しません。栄養状態は高齢者のフレイルにおける重要な指標の一つであるため、定期的な評価がおすすめです。
全18項目あり6個のスクリーニングと12個の質問項目から構成され、当てはまる項目の合計点で栄養状態を評価します。
具体的な評価内容は17点未満:低栄養、17~23.5点:低栄養のリスクあり、24点以上:栄養状態良好の3段階です。評価の対象は65歳以上の高齢者で、栄養状態の把握や将来的な低栄養のリスク予測などが可能になります。
効果の見える生活期リハビリテーション評価表(訪問版)
効果の見える生活期リハビリテーション評価は、東京都理学療法士協会・東京都作業療法士会・東京都言語聴覚士会(三士会)の協働により作成された指標です。
作成された目的は、利用者と家族のニーズの明確化とリハビリによる効果の記載の簡略化です。また、作業療法士や言語聴覚士などの職種でも簡単に評価できるようになっています。
一般的にどの状態の利用者にも使用可能です。一方、神経難病などの進行性疾患を持つ利用者への活用には、十分対応できていない部分もあります。今後も現場の意見をもとに改善を図るよう、三士会で検討される予定です。
主な評価項目は、基本動作・移乗・食事・排泄・入浴・着替え・整容・口腔衛生・参加活動・管理・コミュニケーションの11項目とそれぞれに対応した中項目を全て合わせた40項目があります。
また評価基準は、1点の全介助〜5点の自立までの5段階です。各評価項目の内容に即した現在の状態・生活環境を記入し、それらを踏まえた問題点を抽出するようになっています。
リハビリテーション評価指標
リハビリテーション評価指標は、病期・職種を問わず使用できるリハビリテーション評価の開発を目的として、日本理学療法士協会によって作成されました。一方、検証段階であり、疼痛などの評価項目の位置付けがさらに必要だとされています。
評価指標は、活動または参加に対応する8項目と心身機能に対応する7項目の計15 項目です。前者は実行状況と能力を評価し、後者は機能を評価します。
実行状況・能力の評価基準は0点〜4点の5段階です。評価に必要な時間は平均して10分以内なので、比較的簡単に評価を実施できるでしょう。
リハビリスタッフにも便利な訪問看護専用カルテ『iBow』
『iBow』を使えば、これまでにご紹介したリハビリ評価法の中で、よく活用する項目をカスタマイズ設定できます。あらかじめよく使う項目を設定しておくと、選択式で記録の作成が可能です。
また、他職種が作成したカルテとリハビリスタッフが作成したカルテを別々に確認できるため、前回訪問した際の情報も簡単に引き出せます。また写真のみを経時的に閲覧できます。リハビリ経過の把握にも活用可能です。
ほかにも『iBow』は作成者にリハビリスタッフを選択すると、月次報告書の中に別添の内容添付に該当する項目が出てきます。評価基準の参考表があるため、評価が簡単にできるでしょう。評価基準はステーションごとに設定できるので、基準の統一に役立ちます。
まとめ
今回は、訪問看護における評価の重要性と6つの評価項目について紹介しました。リハビリを行ううえで大切なのは、「利用者の目標・希望」です。
利用者が望む生活を叶えるために、状況に応じた評価指標を用いることで、サポートを強固なものにしていきます。『iBow』を導入して、効果的なリハビリ評価指標を行いましょう。