現場では作業効率を求められ、時間の短縮を考えることも多いでしょう。しかし忙しいと煩雑になってしまい、机の上や訪問バッグの中にいろいろなものが混ざっていることも多く、探すのに手間をとられる人もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は訪問看護における「5S」(ゴー・エス)について、メリットや意味、実際の実施例を見ていきましょう。5Sを徹底できれば作業効率が上がるだけではなく、ミスを削減できて個人の印象もアップしますので、ぜひ一読ください。
1 訪問看護における5Sの必要性
1-1作業効率が上がる
1-2事故やミスを削減できる
2 訪問看護における5Sとは
2-1整理
2-2整頓
2-3清掃
2-4清潔
2-5躾(しつけ)
3 訪問看護における5Sの実施例
3-1不要なものはすてる
3-2スポンジをくり抜いて置く場所を決める
3-3デスク周りを片づける
3-4成果をポスター発表して意識づけ
3-5チェックシートを活用する
4 ミスをなくす、情報共有や業務の効率化に『iBow』
5 まとめ
訪問看護における5Sの必要性
訪問看護における5Sの必要性とはどのようなことがあるのでしょうか。5Sには「作業効率が上がる」「事故やミスを削減できる」というメリットがあります。
作業効率が上がる
訪問看護は一度の訪問時間がケアプランで決められています。訪問時間をオーバーしてしまうと利用料金が変わってきてしまうため、利用者にも迷惑がかかってしまいます。
そのためには作業効率を上げて、時間に余裕を持ってケアに当たる必要があります。5Sを浸透させることができれば、訪問バッグの中が見やすくなり、物が取り出しやすくなるため、物を探す時間が短縮できます。
また看護現場でもケアの動線に合わせて物品を置いておくことにより、ケア中の無駄な動きを削減したり、自身の体力消耗を減らせたりします。
事故やミスを削減できる
訪問看護は病院とは違い、自宅でのケアが基本です。そのため足元を整理していない理由からつまずくリスク・転倒するリスクや利用者の物品破損をしてしまうリスクなどが生じてしまいます。
またメモ用紙や利用者のサインをいただいた訪問看護計画書など大切な書類を紛失してしまう場合もあるでしょう。もしも紛失した際に個人情報の取り扱いに問題があると大変な事態につながることがあります。
5Sは事故防止を行い医療安全につながります。怠ると最悪な結果、看護効果の低下や利用者に害を及ぼす事故のリスクがあるので、注意が必要です。
訪問看護における5Sとは
5Sは5つの単語の頭文字を取って、呼ばれています。以下5つのSを細かく見ていきましょう。
・整理
・整頓
・清掃
・清潔
・躾(しつけ)
整理
整理は、必要とするものと必要のないものを分別して捨てることをさします。終わった業務のメモ用紙や医療物品が入っていた空箱などの不要物は間違いの原因になるため、すぐに捨てましょう。
また使用頻度の高いものや期限切れが近いものを手前に置くなど、優先順位をつけてものを置くと整理しすく、乱れにくくなるでしょう。
整頓
必要物品がすぐに取り出せるように物の定位置を決めて、誰でもわかるように見やすく表示をしておくことです。ステーション内での書類の場所やカルテの保管、衛生材料の在庫確認などに役立ちます。
清掃
5Sの清掃とは、掃除をした場所が綺麗になるだけではなく、異常を発見しやすくするという意味があります。訪問看護ステーションにおいては、塵による感染症予防やアレルギー症状の改善、また物品の点検や物品の劣化防止もできるでしょう。
清潔
訪問看護は医療職です。清潔不潔の区別はきちんとしなければなりません。利用者に触れるものは下に置かない、不衛生なものは近くに置いたり高いところに移動させたりしないなどの配慮が必要になってきます。
躾(しつけ)
これまでの整理、整頓、清掃、清潔をスタッフに共有し、誰もが実行できるように習慣づけます。
1人が完璧に行っていても、徹底できていなければその人のモチベーションも下がり習慣ではなくなってしまいます。決められた通りに実行できるような仕組みや工夫が必要です。
訪問看護における5Sの実施例
では実際に看護研究や看護現場で活用されているアイデアと事例を紹介します。
不要なものはすてる
訪問看護ステーション内でよくあるのが、不要になった点滴の箱や書庫に貼ってあるチラシなどです。
箱は幅を取るため、不要になった際にはすぐ処分をしましょう。もしも他に利用する用途がある場合には、決められた場所に保管するようにします。
書庫に貼ってあるチラシなどは大切な通達の紙と混ざってしまう場合があります。どうしても残しておきたい場合にはファイリングしてすぐに見ることができるようにしましょう。
スポンジをくり抜いて置く場所を決める
引き出しに小物を入れると中で動いたり、決められたもの以外を置いてしまったりと乱れてしまいます。
そこで収納する場所に、スポンジを入れて文房具や用品の形にくり抜きましょう。パズルのようにはめ込んで片づけるため、引き出しの中で乱れることもなく、整頓された状態を保つことが可能です。
文房具を収納する所定の位置が決まっているから、戻さなければいけないという気持ちが働きます。すると正しく収納するようになり、整頓が習慣化します。
デスク周りを片づける
個人デスクを準備してもらえるステーションもあります。さまざまなものを机の上に置くこともあるでしょう。
しかし物が多くなればなるほど整頓ができなくなり、職場環境の清潔も保てなくなります。そのためデスク回りは必要最低限のものにして、前述した方法などを活用し整頓しておきましょう。
そうすると清潔が保ちやすくなり、片づける段階で整理もできます。掃除もしやすくなり整頓が簡単になります。
成果をポスター発表して意識づけ
先ほども紹介した通り、少数の人ができていても他の方が煩雑だとモチベーションも落ちてしまいます。
そのためどのようなことをルール決めして実施しているか、そのぐらい成果が出ているかなど実施する前と後を比較したポスター掲示で見える化します。
全員の5S活動を比較できると、違いが一目瞭然に理解できます。自然に5S活動への意識も高まっていくでしょう。チーム制で目標や取り組んでいる内容を発表するのも効果的です。
チェックシートを活用する
5S活動をする中で何をどのようにしたらよいのか、職員の認識レベルをどのように合わせたらよいのかなど困ることもあるでしょう。
客観的にリスト化したりチェックシートを活用したりすると認識のズレをなくしてやることが見えてきます。
チェックシートの項目は下記です。
・デスク回りの清掃を行っているか
・使わないものの明確な判断基準が確立されているか
・使用頻度が高いものはすぐ使えるようにしているか
・ユニフォームは清潔な物を着用しているか
・ケアに応じて個人防護具を着用できているか
重要性が高いものを上にしたり項目の横に例を書いておいたりするとよいでしょう。また定期的にチェックシートのアンケート実施も有効です。
ミスをなくす、情報共有や業務の効率化に『iBow』
訪問看護ではミスをしてしまうと利用者に対し、害を与えてしまう可能性もあります。ミスは余裕がないときや5Sがおろそかになっているときに起こってしまうことが多くあります。
『iBow』は訪問件数や業務の進捗状況などさまざまなデータ出力ができるため、一目で業務の整頓ができます。
これまで一生懸命、ホワイトボードや一覧表を作成して確認していた手間が省けるため、時間に余裕が出てきます。
訪問計画や医療事故の頻度、目標の共有などにも役立ちます。業務効率を向上して余裕が出た分、ケアやスタッフとの情報共有に時間を利用でき、ミスが少なく質の高いケアを提供することができます。
まとめ
5Sはマナーの基本で整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)です。幼少期からいわれていますが、できる人とできない人がいます。
そのため躾(しつけ)で職員の認識のずれや行動の徹底をしていく必要があります。それぞれのステーションでさまざまな取り組みをしています。
やるメリットはたくさんありますが、デメリットはありません。業務効率を上げ、気持ちよく余裕を持ってケアを実践するために5Sに取り組んでみましょう。