労務管理は、給与・賞与計算、勤怠管理、社会保険や税金関連など、業務の幅が広く期限内に行うべき手続きも多いため、年間スケジュールを立てて計画的に進めていく必要があります。
そこで今回は、訪問看護ステーション運営に必要な労務の月次業務を紹介します。その中でも特に手続きの多い月に焦点を当てていきましょう。
労務は法改正への対応も求められるため、手続きが遅れたりミスしたりすると労働環境にも影響が出る可能性があります。健全な運営のためにも、労務業務を改めて見直していきましょう。
労務管理業務に関するその他のテーマも参考にしてください。
https://ewellibow.jp/useful/category/oyakudachi/labormanagement/1 4月の労務業務
2 6月の労務業務
3 11月の労務業務
4 12月の労務業務
5 1月の労務業務
6 3月の労務業務
7 まとめ
4月の労務業務
■健康保険/厚生年金保険、雇用保険の加入手続き
■雇用契約書または労働条件通知書の作成
■給与支給手続き、通勤手当の処理
■健康保険料率・介護保険料率の改定
■法定三帳簿の作成
法人の多くは、4月が年度始めで新入社員の入社手続きもあります。移動や昇進などもこの時期で、労働者の基本情報の登録、更新作業なども行わなければなりません。
新入社員の入社手続きには社会保険手続きがあります。健康保険・厚生年金保険は、事実上の使用関係に入った日を資格取得日とし、5日以内に「被保険者資格取得届」を日本年金機構の事務センターまたは管轄の年金事務所に提出する必要があります。
特に健康保険は、提出が遅れると保険証の発行も遅れてしまいます。雇用保険は、入社日から10日以内に管轄のハローワークに提出しましょう。
雇用契約書、または労働条件通知書も書面にて作成しておきます。これは、企業と社員の労働トラブルを起こさないようにするための取り決めで、従業員の承認を得た上で働いてもらうためです。
入社前に提示できるようにしておくのが一般的で、パートタイムなど有期雇用労働者の更新を行う場合も改めて書面にする必要があります。
ほかにも給与締日・支払日、給与支給口座の確認や通勤手当の処理、昇格や降格があった場合は給与の改定・更新作業も行います。
重要なのが、法定三帳簿の作成です。法定三帳簿とは、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿の3つで、労働基準法で記載事項が定められています。
労働者名簿は労働者の氏名、生年月日、住所、採用年月日などの基本情報を記載したもの、賃金台帳は賃金の計算期間、労働日数、基本給、手当などに関する情報を記載したもの、そして出勤簿は労働者の勤怠を記録したものです。
形式は自由ですが、すべての会社に作成・管理が義務づけられています。
出勤簿は労働時間の適正な申告のために必要で、タイムカードやICカードなどによる客観的な記録も求められています。退職した人材でも最終出社日から3年は保管しなければなりません。
そして労働者死傷病報告は、従業員が業務中に負傷または疾病して休業/死亡した場合に提出する報告書です。休職者がいる場合は報告書を作成し、労働基準監督署に提出する必要があります。年に数回提出する機会があります。
6月の労務業務
■労働保険の更新手続き
■住民税の更新手続き
■賞与支払届の提出
■算定基礎届の提出
■高年齢者・障害者の雇用状況報告書作成・報告
労働保険や住民税などの年度更新のための手続きで5月から準備を始め、6月~7月までは1年のうちで最も忙しい時期となります。
労働保険の更新手続きは、前年度の労働保険料を精算し、確定した金額を申告・納付するものです。労働局から申告書を受け取り、毎年4月1日から3月31日までを1年単位として計算した保険料を申告します。
納付期間は毎年6月1日から7月10日までとなっており、遅れると10%の追徴課税となることがあるので注意しましょう。
住民税は、毎年6月1日〜翌年5月31日を1年単位として前年度の所得に応じて計算し6月に納付します。市区町村から送られてくる「特別徴収税額の決定通知書」をもとに給与システムに税額の更新を行いましょう。
賞与支給を行う場合は、「被保険者賞与支払届」を作成し、賞与支給日より5日以内に事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出しなければなりません。
算定基礎届は、従業員の社会保険料を決定するために年に1回標準報酬月額の見直しを行い、管轄の事務センターまたは年金事務所に提出する書類で、毎年7月10日までに行います。
高年齢者・障害者の雇用状況報告書も行います。毎年6月1日時点で常勤の従業員が31人以上いる会社は高年齢者の雇用状況を、従業員が45.5人以上いる会社は障害者の雇用状況を報告書にしてハローワークに提出する義務があります。
11月の労務業務
■健康保険 被扶養者状況リストの提出
被扶養者状況リストは、従業員の健康保険の扶養者状況を確認し提出するものです。家族で扶養から外れる者がいる場合は、「健康保険 被扶養者調書兼異動届」を提出し健康保険の返却を行います。
12月の労務業務
■年末調整
■源泉徴収票の発行
12月は年末調整があり繁忙期に入ります。年末調整では、従業員によっては住宅ローン控除や扶養控除申告書、保険料控除申告書などを出してもらい、チェックして所得税の計算を行わなければなりません。
また年末調整後に反映される源泉徴収票も従業員に発行しておきます。年末調整の書類提出期限は翌年の1月31日、源泉所得税の納付は1月10日です。
1月の労務業務
■法定調書の提出
■給与支払報告書の提出
1月は、法定調書の提出があります。法定調書は、税務署への提出が義務づけられているものです。期限は1月末で、給与所得の源泉徴収票や、報酬・料金・契約などに関する支払いなどさまざまな資料を提出します。
給与支払報告書は、前年に従業員に支払った給与・賞与を従業員の居住する市区町村に提出します。
3月の労務業務
■36協定更新の手続き
■就業規則の見直し
3月は年度末となるため、新年度の準備と合わせて従業員の労働環境を守るために重要な業務が多くなります。
まずは36協定更新の手続きです。36協定とは、法定労働時間を超える場合の上限などについて、労使協定を書面にしたもので、毎年4月1日を更新日としている場合は所轄の労働基準監督署に更新したものを提出します。
常勤が10人以上いる会社に就業規則の作成が義務づけられており、所轄の労働基準監督署へ提出も行わなければなりません。
労働時間や賃金規定の見直しをしてルールを変更する場合、新たな手当を導入してルールを追加する場合、そして法令の改正が行われ修正が必要な場合も就業規則を変更し新たに届出をします。
就業規則は、概要を作成して労働組合または代表者の意見聴取を行った上で作成します。変更後は従業員に周知しいつでも確認できるようにしておきましょう。
まとめ
ここでは、業務の時期が決まっている季節性のものを中心にとりあげていますが、労務業務はほかにも給与支払いや勤怠管理、有給休暇管理など毎月の定例業務、出産一時金の申請、育児休業の手続き、介護休業、住所変更などその都度対応する業務などさまざまです。
会社によってはヘルスケアのサポートやストレスチェックなども対処する場合があるでしょう。
労務担当者は、保険や税金関連など専門的な分野の知識、給与や経費の計算ミスをしない正確さが必要で、業務を効率化するためのシステムが求めらています。
そこで活用できるのが訪問看護専用電子カルテ『iBow』です。『iBow』は、看護記録の作成をはじめ、就業規則やマニュアル、訪問看護で必要となるデータの共有が行えます。またチャット機能を使って必要な連絡や手続き、書類送付なども可能です。
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