訪問看護師は利用者の自宅だけではなく、様々な施設に訪問することもあります。住宅型有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅に訪問しているステーションも多いでしょう。
実は、特別養護老人ホームにも訪問できることをご存じですか?しかし、訪問するためには条件があるのです。
今回の記事では、訪問看護が特別養護老人ホームに訪問するためのポイントをお伝えします。
目次
1.特別養護老人ホームとは
2.特別養護老人ホームに訪問できる?
3.訪問看護のサービス内容
4.末期の悪性腫瘍のケアにも安心!訪問看護専用電子カルテ『iBow』
5.まとめ
特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームは、要介護認定をされた高齢者で常に介護が必要な状態の人が生活する施設です。略して「特養」と呼ぶこともあります。
介護保険法ではこれを介護老人福祉施設と呼びます。入居者の定員が29名以下の施設は「地域密着型特別養護老人ホーム」と呼ばれます。
特別養護老人ホームでは主に次のようなサービス提供が行われます。
・入浴、排せつ、食事等の日常生活の世話
・機能訓練
・健康管理及び療養上の世話
・生活相談援助等
厚生労働省が行った2019年の調査によると、約61.96万人が特別養護老人ホームに入居しています。
また、2018年度の統計では入居者のうち要介護5が32.3%、要介護4が37.8%となっています。要介護度の平均は3.95であり、常に介護が必要な人が入居対象であるため介護度も高い傾向にあります。
参照元)厚生労働省社会保障審議会-介護給付費分科会資料1(
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000663498.pdf)
特別養護老人ホームに訪問できる?
特別養護老人ホームに訪問看護師が入れるのは、主治医が「末期の悪性腫瘍」と診断した入居者に対応する場合のみです。この場合は医療保険で算定します。
参照元)厚生労働省「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」の一部改正について(
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc4925&dataType=1&pageNo=1)
特別養護老人ホーム入居者への訪問看護依頼があった場合は、主治医が末期の悪性腫瘍と診断していること、医療保険を利用して訪問することを確認しておく必要があります。
「末期の悪性腫瘍」は主治医の診断ですので、訪問看護指示書に「○○ガン末期」や「終末期の悪性腫瘍」等と記載されているかも確認すべきポイントです。
末期であることが明記されていない訪問看護指示書では、特別養護老人ホームの入居者に訪問看護サービスを提供することはできません。必ず指示書の内容を確認してから訪問しましょう。
レセプトの際は、医療保険での請求となるため訪問看護基本療養費で算定します。誤って介護保険で請求しないよう注意が必要です。
また、次の要件に該当する場合はターミナルケア療養費を加算できます。
・主治医の指示の下、死亡日及び死亡日前14日以内に、2回以上の訪問看護サービスを提供している
・ステーションの担当者名や連絡先、緊急時の注意事項等ターミナルの支援体制を、利用者とその家族等に対して説明している
参照元)厚生労働省 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9734&dataType=0&pageNo=1)
ターミナルケア療養費には1と2がありますが、施設が介護保険における看取り介護加算等をとっているかどうかで違います。予め施設と確認しておきましょう。
訪問看護のサービス内容
末期の悪性腫瘍と診断されても、病気の進行状況やADL(日常生活動作)は人それぞれです。そのため、その人に適した訪問看護の内容を検討する必要があります。
入居者やその家族が訪問看護に何を求めているのか、しっかりアセスメントして看護計画を立案していきましょう。
例えば、がん性疼痛が強い入居者であれば主治医の指示の下で疼痛コントロールを行い、その効果を主治医に報告しケアを行っていきます。食事量が減ってきた場合に口腔マッサージをしたり、臥床時間が長く筋力が低下してきている場合にはリハビリを行ったりすることもあります。
特別養護老人ホームに入居中であるため、日常生活援助は施設で実施する場合が多いでしょう。そこは、自宅で療養する利用者と違うポイントです。
施設でできることとできないこと、訪問看護がやること等を施設のスタッフとも話し合いながらサービス提供内容を検討しましょう。施設との連携が入居者の希望するケアにつながります。
看護計画の立案についてはこちらの記事も参考にしてください。
「訪問看護における看護計画の書き方とは?作成するポイントや注意点」末期の悪性腫瘍のケアにも安心!訪問看護専用電子カルテ『iBow』
上でもお伝えしたように、「末期の悪性腫瘍」と診断されていても状態はその人によって全く違います。そのため、一人ごとに適切な看護計画を立てる必要があります。観察項目やケア項目も対象となる入居者によって変わるでしょう。
看護計画に基づいたケア内容を設定していく際に、訪問看護専用電子カルテ『iBow』を利用するととても便利です。
『iBow』はカスタマイズ機能が充実しており、訪問看護記録での観察項目や処置内容を自由に設定することが可能です。末期の方は状態も変化しやすく、その都度ケア内容も変更しなければなりません。
こうした場合利用者の状態に合わせてカスタマイズ設定することで、どのスタッフが訪問しても観察項目や処置内容に漏れなくケアを提供することができます。また、内容の変更もすぐに反映されるためスタッフ間でリアルタイムに最新情報を共有することが可能です。
加えて、観察項目に対する評価も設定することができます。予め評価を設定しておくことで、どのスタッフも標準化された評価ができるようになります。
詳しくは訪問看護専用電子カルテ『iBow』のホームページ(
https://ewellibow.jp/kinou/case/)をご覧ください。
まとめ
今回の記事では、訪問看護師が特別養護老人ホームに訪問する際のポイントについてお伝えしました。
特養に入居中でも、「末期の悪性腫瘍」の診断があれば訪問看護サービスの提供が可能となります。医療保険での算定になりますので、レセプトの際は加算等も合わせて誤りのないよう注意が必要です。
また、終末期の全身状態はその人によって多様でしょう。そのため、個別性の高いケアが必要です。利用者や家族が望む生活を送れるよう、しっかりとしたアセスメントに基づく看護サービスの提供に努めましょう。
なお『iBow』のホームページでは加算を含むレセプトなどについても紹介されていますので、関連する情報をお求めの方はぜひご覧ください。