自然災害や緊急事態から事業を守るためには「BCP」が重要です。
今回はBCPの概要や訪問看護におけるBCPの必要性、BCPの策定方法について解説します。
1BCPとは
2BCPの必要性
2-1サービスの継続
2-2被害の緩和
2-3スタッフの安全確保
2-4関係者からの信頼を高める
3BCPの策定方法
3-1目的設定
3-2重要な業務とリスクの洗い出し
3-3リスクに優先順位をつける
3-4実現可能な具体策を検討する
4BCP策定の注意点
4-1最初から完璧を目指すことは難しい
4-2BCM=事業継続マネジメントを行う
5継続的な事業運営に!訪問看護専用電子カルテ『iBow』
BCPとは
BCPは「Business Continuity Plan」の頭文字をとってできた言葉で、日本語では「事業継続計画」とよばれています。
災害などの緊急事態が発生した際は、普段通りに業務を遂行するすることが難しくなる場合が多いでしょう。
BCPはそのような状況を想定し、業務への支障を最小限に抑えること、また支障を来した場合でも優先業務から順に実施できるよう対策をまとめた計画書です。
その内容は、単なる防災対策ではなく緊急事態発生時にも事業を継続するための具体的な行動計画である必要があります。
日本では、東日本大震災をはじめとする震災や天気による災害、また近年でいえば新型コロナウイルスの流行など、事業の継続に大きな損害を与える事象が続いていることを受け、BCPの重要性が注目されています。
BCPの必要性
BCPは看護業界においてももちろん重要です。
2021年度の介護報酬改定においてBCP策定が義務化されたことを受け、2022年度の診療報酬改訂においても2年間の猶予をもってBCP策定が義務化されました。
参考)厚生労働省「在宅医療・介護連携における診療報酬と介護報酬」
https://view.officeapps.live.com/緊急事態においても必要な看護サービスを継続的に提供できる体制を構築することを目的としたBCPに関し、その必要性についてさらに細かく解説します。
サービスの継続
訪問看護におけるBCPの一番の目的は、やはり事業の継続となります。
災害などが起きて事業の縮小や閉鎖を余儀なくされる場合であっても、利用者は常に看護ケアを必要としています。
利用者の命を守るために、医療や看護を滞りなく提供できるよう事前に備えておくことが重要です。
被害の緩和
災害等による事業者への影響、ひいては利用者への影響を最小限度に留める目的においてもBCPが必要となります。
大規模な自然災害は、訪問看護の経営に直接的な影響を及ぼす可能性がありますので、できる限り被害を緩和するための手段を計画しておくことが必要不可欠です。
スタッフの安全確保
災害時などに業務の継続を図る場合、スタッフへも負担がかかります。長時間に渡る勤務や過酷な業務の発生が予測され、身体的にも精神的にも負担が強くなってしまうことでしょう。
BCPではスタッフの安全確保にも目を向ける必要があります。過重労働やメンタルヘルスへの適切な処置を講じる必要があるでしょう。
関係者からの信頼を高める
BCPは緊急事態への備えだけでなく、関係者や関係機関からの信用を高める目的もあります。
BCPを策定しているという事実は、リスク管理を評価する上で一つの指標となりますので、訪問看護ステーションとして関係者からの信頼を高めることに繋がります。
訪問看護ステーションの経営や運営において、関係者からの信頼が重要であることはいうまでもないでしょう。
BCPの策定方法
では、BCPはどのように策定すればよいのでしょうか。策定手順を解説します。
目的設定
まず、BCP策定における目的を明確にする必要があります。
訪問看護ステーションの経営理念や基本方針を基に、「何を守るべきか」を考えましょう。
重要な業務とリスクの洗い出し
続いて、ステーションにとって最も重要な業務(=中核業務)を明らかにしましょう。
その際、人手や物資といったリソースが平常時と比較し極めて少ない状態であっても優先すべき業務は何か、ということを考えるとわかりやすいです。
中核業務を明確にできたら、次は想定されるリスクを全てピックアップします。また、それらのリスクがステーションの運営にどのような影響を与えるのかということまで考えておきましょう。
リスクに優先順位をつける
ピックアップした全てのリスクを網羅するのは困難な場面もあるため、考えられるリスクの一つ一つについて発生頻度と深刻度を考え、優先順位をつけましょう。
実現可能な具体策を検討する
最後に、実現可能で具体的な計画を立案します。その際に意識したいポイントは以下の通りです。
・各担当者を決めておく(誰が、何をするか)
・連絡先を整理しておく
・必要な物資を整理しておく
・上記を組織全体で共有しておく
災害への迅速な対応には、緊急時における情報収集・共有体制や情報伝達方法を構築しておく必要があります。
そのためには、全体の指揮監督を担うリーダーと各業務の担当者を決めておくことが重要です。「誰が何をするか」をできる限り細かく決めておくと、実際の場面での動き出しがスムーズになります。
また、災害時に必要となる連絡先の整理や、必要物資の備蓄も行います。
そして、それらの計画内容を組織全体で共有しておくことが何よりも重要です。全スタッフが共通理解できるようにしておきましょう。
BCP策定の注意点
続いて、BCP策定の注意点を解説します。
最初から完璧を目指すことは難しい
BCPにおいては、最初から完璧を目指すことは難しいことでしょう。不意に発生する全ての緊急事態を想定した計画を立案することは現実的には難しく、実際に災害等が発生してみて初めて気が付くこともあります。
ステーションの事業継続のために必要な事項から優先順位をつけて取り組み、試行錯誤を重ねていくことでより良いBCPを作っていくことが理想的です。
BCM(Business Continuity Management)=事業継続マネジメントを行う
BCPの活用を組織に浸透させるための勉強会や研修などの取り組みをまとめてBCMとよびます。
BCPは立案しただけでは実効性があるとはいえません。利用者への看護計画と同じように、BCPもBCMを通して定期的に見直しや修正を行うことが重要です。
シミュレーションを行う際には、災害の種類や程度、事業への影響などを細かく設定し、リアリティをもって行うことをおすすめします。
継続的な事業運営に!訪問看護専用電子カルテ『iBow』
災害時には停電などにより電話が使えなくなる可能性があります。
日本では業務連絡の手段として電話が比較的重要な位置を占めていますが、緊急事態へ迅速に対応するためは、インターネット環境による連絡手段を活用する必要があります。
そこでおすすめしたいのが、訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』です。
『iBow』はクラウドサービスであるため、インターネット環境さえあればどこにいても、利用者に関する情報の確認や他スタッフとの情報共有が可能です。
ステーションに集合しなくても情報共有できることは、業務遅延を防ぎ利用者への迅速なケアに繋がることでしょう。
まとめ
今回の記事では、訪問看護におけるBCPについて、その必要性や策定方法、運用の注意点についてお伝えしました。
訪問看護ステーションが、災害などの緊急事態時であっても機能し続けられるか否かはBCPにかかっているといっても過言ではないでしょう。
今回の記事を参考にBCP策定を行い、周知や研修を通してスタッフへの浸透を図りましょう。
また『iBow』はスムーズな事業継続をサポートする、訪問看護におけるBCPにおいて重要なシステムです。ぜひ導入してみてください。