訪問看護は人間同士の関わり合いの連続です。中には、「訪問するのが辛い」と感じる利用者もいるかもしれません。とはいえ訪問を拒否することはできませんが、一方で無理して訪問し続けると精神面・身体面に悪影響が出てしまう可能性があります。
そこで今回は、苦手な利用者の訪問が辛いと感じている訪問看護師のために、訪問看護における苦手な利用者との上手な付き合い方について説明します。
目次
1訪問看護で苦手と感じられやすい利用者の特徴
1-1暴言を吐く利用者
1-2高圧的な態度を取る利用者
1-3無視をする利用者
2苦手な利用者との付き合い方
2-1冷静に対応する
2-2自分を隠して接する
2-3ストレスをノートに書き出す
2-4笑顔で接する
3利用者とのコミュニケーションで大切なこと
3-1利用者の心理状態を理解する
3-2自尊心を傷つけない
3-3繰り返しコミュニケーションを取る
まとめ
訪問看護で苦手と感じられやすい利用者の特徴
訪問看護の利用者は、今まで歩んできた人生も性格も環境も一人ひとり異なります。そのため、中には苦手だと感じられる利用者もいるかもしれません。このような利用者は傾向としていくつかのタイプに分けられますので、ここではそのそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
暴言を吐く利用者
訪問看護中に、乱暴な言葉遣いをしたり、嫌がるような発言をしたりする利用者がいます。軽い気持ちで言っている場合もありますが、暴言を言われた側としては精神的に傷ついてしまうでしょう。
高圧的な態度を取る利用者
特に新人看護師や若い看護師で多い傾向にある悩みの一つが、利用者からの高圧的な態度です。高圧的な利用者は、看護の質ではなく見た目だけで判断し、一方的に話したり見下したりしてきます。
このような態度を取られてしまうことで委縮してしまい、ストレスによるミスが起こりやすくなってしまいます。ミスをすることは、結果的に利用者の安全も脅かす可能性があるので注意が必要です。
無視をする利用者
コミュニケーションを取ろうとしても無視をする利用者もいます。無視されるとモチベーションが下がってしまい、精神的にも落ち込んでしまうでしょう。
看護において、無視されたら無視すればいいということはできないため、根気強くコミュニケーションを図り、無視されても丁寧な関わりを意識することが重要です。
ただし、利用者から無視されるのは必ずしも自分に問題があるわけではありません。疾患や障害を抱えているため心を閉ざしてしまっているという可能性もあります。無視するという行動のみにとらわれることなく、疾患や障害を含めた利用者全体を捉えられるように心得ておきましょう。
苦手な利用者との付き合い方
それでは、こうした苦手と感じられる利用者と出会った際、具体的にはどのように付き合えば良いでしょうか。ここでは上手な付き合い方の例を4つ紹介します。
冷静に対応する
自分が苦手だと感じている利用者に対しては、自分はそのどんな言動を苦手と感じているかを自己分析することで、感情的にならずに冷静に対応できることがあります。
厳しい言葉を言われたり、セクハラのようなことを言われたりするとつい感情的になってしまいがちですが、すべてを真に受けないようにしましょう。適度に冗談で返したり、「日々の生活でストレスが溜まっているのだろう」とさらっと受け流したりすることも大事です。
自分を隠して接する
苦手な利用者と接する時は、自分の気持ちを抑えて別人になりきってみましょう。仕事だと割り切って別人として関わると、気持ちが楽になります。
利用者から嫌味を言われた時に、自分に対して言われた言葉ではなく、自分が演じている別人に対して言われた言葉だと思うことができれば、客観的に捉えることができるだけでなく、自己分析もしやすく今後の関わり方を考える際に役に立ちます。
ストレスをノートに書き出す
利用者から言われた言葉でイラっとすることもあるかもしれません。そんな時は、そのイライラを溜め込まずにノートに書き出してみましょう。書き出すことでイライラが治まり、ストレスが軽減されます。また、書き出すことで冷静になることができ、適切な対応方法を考えられるかもしれません。
ストレスの溜めすぎは、身体にも精神にも悪影響を及ぼしがちです。看護を行う看護師が健康でないと、利用者にとって良い看護を提供できないことも考えられます。ストレスをうまく解消し、より良い看護を提供できるようにしましょう。
笑顔で接する
嫌味やわがままなことを言われた時に、あえて笑顔で対応することも効果的です。仮に本心ではないとしても、「教えてくださりありがとうございます」「とても参考になりました」など笑顔で対応していると、利用者の態度が変わってくることもあります。
利用者の中には、もともとは嫌味を言うような人ではなかった場合もあります。疾患や障害を抱えながら辛い生活をしているうちに、他人に対して心を開けなくなってしまったというケースもあることでしょう。そのような利用者に対しては笑顔で接し続けることで、徐々に心を開いてくれるかもしれません。
利用者とのコミュニケーションで大切なこと
訪問看護における利用者とのコミュニケーションは、看護のための単なる会話ではありません。利用者にとって訪問看護師とのコミュニケーションは、信頼関係の構築につながる重要なポイントです。それでは、訪問看護における利用者とのコミュニケーションで大切なことを説明します。
利用者の心理状態を理解する
訪問看護の利用者は、何らかの疾患や障害を抱えて暮らしていることがほとんどです。日々の生活の中で楽しいことだけでなく、辛いことや悲しいことも体験しているため神経が高ぶっていることがあります。そのためつい感情的になって嫌味を言ったり、高圧的な態度になったりしてしまうこともあるでしょう。
このような利用者に対しては、笑顔で傾聴するということを意識しましょう。すべての利用者に当てはまるわけではないですが、その心理状態を頭の片隅で理解しておくことで、コミュニケーションがスムーズになる傾向があります。
自尊心を傷つけない
人間は、自尊心を傷つけられると怒ったり、高圧的な態度になったりしがちです。たとえ冗談で自分のことを「ダメな人間だ」と言っていても、これを他人に言われると嫌な気持ちになる人は少なくないでしょう。
利用者が言った言葉を単純にオウム返しするだけではなく、どういった言葉が喜ばれるのかを考えながらコミュニケーションを取るように心がけましょう。
繰り返しコミュニケーションを取る
初めて利用者の自宅に訪問した時に、必ずしもスムーズに受け入れてもらえるとは限りません。最初のうちは訪問看護に対して拒否がある場合でも、繰り返し訪問しコミュニケーションを取ることで徐々に受け入れてもらえることがあります。苦手な利用者だと決めつけず、根気強く関わることが重要です。
まとめ
今回は、訪問看護師が苦手だと感じる利用者の特徴とその対応方法についてまとめました。苦手な利用者との接し方を考えることは、看護師としてのスキルアップにもつながります。
苦手な利用者への対応を冷静に分析し、コミュニケーションを取る際には笑顔で安心感を与えられることが大切です。苦手な利用者との付き合いを克服し、よりストレスなく良い看護を提供できるようにしていきましょう。
『iBow』お役立ち情報では、訪問看護を行う際のマナーや立ち振る舞いについてもまとめています。利用者と良い関係性を築くためにも、ぜひこちらもご覧ください。
https://ewellibow.jp/useful/information_20210916/https://ewellibow.jp/useful/information_20210922/