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2026年10月25日(日)
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No182.訪問看護における在宅酸素療法について

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No182.訪問看護における在宅酸素療法について

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在宅酸素療法は、自宅で酸素吸入ができる治療方法です。現在新型コロナウイルス感染症の流行で医療体制がひっ迫し、医療の必要性があっても入院できない患者が増加傾向にあります。それに伴い、自宅で在宅酸素を利用する患者も増えてきています。

そこで今回は、訪問看護における在宅酸素療法の基本知識や導入の流れ、訪問時のケアのポイントについて説明します。

目次
1在宅酸素療法とは
2在宅酸素の効果
3在宅酸素の対象となる人
 3-1慢性呼吸不全
 3-2慢性心不全
 3-3チアノーゼ型先天性心疾患
4訪問看護での在宅酸素治療の流れ
 4-1在宅酸素療法の適応かどうかを判断する
 4-2在宅酸素療法の処方を決める
 4-3在宅酸素療法についての教育を行う
 4-4在宅酸素療法を始める
 4-5定期的に医師の診察を受ける
 4-6訪問看護でのケアのポイント
5在宅酸素の加算
6まとめ

在宅酸素療法とは
在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen therapy)とは、自宅に専用の機械を設置し、酸素吸入を行う治療法です。在宅酸素療法を行うことで生活の質が向上したり、家族と一緒に自宅で過ごしたりできるなどのメリットがあります。

在宅酸素療法は、1985年に医療保険の適応となりました。これにより、病状は安定しているものの酸素吸入だけが必要といった患者が、病院ではなく自宅で酸素療法を受けながら生活を送ることができるようになりました。

在宅酸素療法で使用する装置や酸素は、医療保険の対象となります。1割負担の患者で、毎月7,680円、2割負担の場合15,360円かかります。高額療養費制度や高額医療・高額介護合算療養費制度を利用することで毎月の費用負担も軽減することができます。

また、在宅酸素療法を長期間利用するような状態だと、呼吸機能障害として身体障碍者手帳を取得できる場合があります。重症度によっては福祉用具の給付や割引などを受けられることがあります。

在宅酸素の効果
在宅酸素療法を受けることで受けられる効果はたくさんあります。
・心臓への負担の軽減
・記憶力、注意力低下の予防
・入院回数が少なくなる
・生活の質が向上する
・息切れが改善する

在宅酸素療法を導入することで、患者の症状が改善されるだけではなく、日常生活や社会生活も充実させることが期待できます。また、それに伴い健康寿命が延びる可能性もあります。

在宅酸素の対象となる人
在宅酸素療法の対象となる疾患は、慢性呼吸不全や慢性心不全などの診断を受けている患者のうち、体内の酸素濃度が一定基準以下で、医師が在宅酸素療法を必要だと判断した患者です。疾患ごとに具体的に説明していきます。

慢性呼吸不全
慢性呼吸不全とは、空気吸入時の動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下となる呼吸不全の状態が、1か月以上継続している状態です。そのうち対象となるのは、動脈血酸素分圧(PaO2)が55mmHg以下、あるいはPaO2が60mmHg以下で睡眠時または運動時に低酸素をきたす患者です。

慢性心不全
慢性心不全とは、心機能が低下し全身に血液を循環させることができない状態が継続し、日常生活に支障をきたしている状態のことです。在宅酸素療法の適応となるのは、医師がNYHA心機能分類のⅢ度以上と診断し、睡眠時のチェーンストークス呼吸と無呼吸低呼吸指数が20以上であることが確認されている患者です。

チアノーゼ型先天性心疾患
ファロー四徴症、三尖弁閉鎖症、総動脈幹症、大血管転移症、単心室症などのチアノーゼ型先天性心疾患の診断を受けている患者で、発作時に低酸素または無酸素状態になった場合の救命処置として行われています。

訪問看護での在宅酸素治療の流れ
それでは、訪問看護における在宅酸素療法の流れとケアのポイントについて説明します。

在宅酸素療法の適応かどうかを判断する
医師の診察により、患者の動脈血酸素分圧(PaO2)や酸素飽和度(SpO2)、自覚症状などの全身状態を評価し、在宅酸素療法の適応となるかどうかを判断します。

在宅酸素療法の処方を決める
在宅酸素療法の適応となったら、医師は患者とその家族へ在宅酸素療法の必要性や効果について説明し、同意を得ます。同意を得たら、医師は在宅で使用する酸素装置の種類や酸素流量、吸入時間を決定します。

在宅酸素療法についての教育を行う
自宅で患者が安全に在宅酸素療法を受けることができるように、看護師が在宅酸素療法の注意点、酸素装置の操作方法などに説明を行います。酸素量や吸入時間は、患者の自己判断で変更してはいけないということを、しっかり伝えておきましょう。

在宅酸素療法を始める
自宅に酸素装置が設置され、メーカーから操作方法、注意点、緊急連絡先などの説明を受け、問題がなければ在宅酸素療法を開始します。息苦しい、咳が止まらないなどの異常がある場合には訪問看護ステーションに、装置の故障などのトラブル時にはメーカーに問い合わせるように伝えます。

緊急連絡先は、すぐに連絡できるように目の付くところや、電話の横に書くなどの工夫をしましょう。

定期的に医師の診察を受ける
在宅酸素療法は健康保険の適応となるため、毎月1回は必ず医師の診察を受ける必要があります。現在処方されている酸素量が適切かどうかを判断するので、日常生活で呼吸苦の有無、咳、むくみの状況などを伝えると良いでしょう。この場合の診察は、訪問診療でも外来受診でもどちらでも構いません。

訪問看護でのケアのポイント
在宅酸素を利用している患者の訪問看護をするにあたって、注意すべき点が4つあります。
・患者が自己判断で酸素流量を変更してはいけないことを伝える
・酸素ボンベの残量の確認方法を、患者と家族へ指導する
・火気2m以内に近づかないよう説明する
・延長チューブを使用し、トイレや入浴などの日常生活がスムーズに行えるように工夫する

訪問看護師は訪問時に、患者が正しく在宅酸素を使用できているかどうかをしっかり確認し、安全に在宅酸素療法を受けられるようにしなくてはなりません。

また、全身状態の異常やいつもと違った様子がないかアセスメントし、早期発見・早期対応も重要となります。訪問看護師が適切な指導・観察を行うことで、患者のQOLの向上につながるでしょう。

在宅酸素の加算
訪問看護で在宅酸素療法を受けている患者は、要介護認定を受けている場合は介護保険が優先となります。一方で、介護保険に該当しない場合や、厚生労働大臣が定める疾病(別表7)に該当する場合は医療保険の適応となります。

在宅酸素療法を受けている利用者は、厚生労働大臣が定める状態(別表8)の「在宅酸素療法指導管理」に該当するので、特別管理加算を算定することができます。

介護保険の利用者の場合は特別管理加算Ⅱ(1回250単位/月)、医療保険の利用者の場合は特別管理加算Ⅱ(1回2500単位/月)を算定することができます。

参考)厚生労働省「訪問看護(参考資料)」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000170290.pdf

まとめ
今回は、訪問看護における在宅酸素療法について説明しました。新型コロナウイルス感染症の終息の目途は立たず、今後も在宅酸素療法を利用する患者は増えていくでしょう。

訪問看護師が在宅酸素療法の適切な使用方法について説明することで、患者は治療を受けながらも質の高い生活を送ることができるようになるため、在宅酸素療法の知識を深めておくと良いでしょう。


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