医療の現場では、さまざまなトラブルが発生するリスクがあります。訪問看護においては、病院や施設などの医療機関とは異なり在宅が現場となるため、家族や介護士など、利用者のケアに関わるすべての人を巻き込んだリスク管理が必要不可欠です。
そこで今回は、訪問看護におけるリスクマネジメントについて、起こり得るリスクの種類や運用方法を詳しく解説します。
目次
1 リスクマネジメントとは?
2 リスクマネジメントの運用方法
2-1リスクの特定
2-2リスクの分析
2-3対応計画の立案応計画の立案
2-4評価
3 訪問看護におけるリスクマネジメントには『iBow』
4 危機管理セミナー
5 まとめ
リスクマネジメントとは?
リスクマネジメントとは、企業の運営に影響を与える可能性のあるリスクに対し、適切な予防策を練る一連のプロセスのことをいいます。日本語では危機管理ともよばれることもありますが、厳密には、危機管理は英語でクライシスマネジメントと表記されるため、両者は概念が異なります。
リスクマネジメントの目的は、事前のリスクを予測し予防すること、つまりリスク回避やリスク低減のため健全な企業運営には欠かせない考え方です。
企業が直面する可能性のあるリスクには、純粋リスクと投機的リスクの2種類があります。
純粋リスクは、企業に損害や損失のみをもたらすリスクのことで、具体的な例としては地震や火災、水害などの自然災害、交通事故、テロ、社内のハラスメント、知的財産権の侵害、パンデミックなどがあげられます。一方投機的リスクは、企業に損失と利益のどちらももたらす可能性のあるリスクのことで、為替変動や強力な競合企業の参入などがこれにあたります。
リスクマネジメントの運用方法
リスクマネジメントは、リスクの特定、リスクアセスメント、リスク対応、評価の4つのプロセスから構成されます。看護過程のプロセスを想像すると理解しやすいでしょう。
リスクの特定
まずは、リスクの特定を行います。ここで重要なのが、小さなものから大きなものまで、あらゆるリスクを洗い出すことです。
ここで、訪問看護におけるリスクを考えてみましょう。訪問看護の現場は利用者の自宅であり、家族がケアの担い手となることもあるため、医療機関におけるリスクとはまた異なったリスクが多く考えられます。そのため、さまざまなケースを想定したリスクマネジメントが求められます。
在宅ケアにおけるリスクには、医療事故、ケア事故、交通事故、盗難・紛失・破損などがあります。
医療事故とは、医療者の医療行為や医療施設の設備、システムなどに原因がある人身事故のことで、訪問看護における具体例は次のとおりです。
・薬液の種類や投与方法、量、タイミングなど、薬剤に関わるミス
・点滴や注射の漏れ、痛み、炎症
・膀胱留置カテーテル、胃ろうチューブ、気管カニューレなど各種留置物の事故抜去や自己抜去
・浣腸や摘便時の出血、ショック
・医療機器取り扱いの事故 など
また、ケア事故は主に日常生活援助の際に起こる事故のことで、具体的には以下のようなものが考えられます。
・利用者の転倒や転落事故(特に入浴介助時)
・入浴介助中のやけど
・食事介助中の誤嚥
・歩行や車いすによる散歩中の転倒や、外出後の感染
そして、交通事故も訪問看護のリスクの一つです。スタッフが利用者の自宅を訪問する道中や利用者の移送中などの事故がこれに該当します。
盗難・紛失・破損事故には、カルテそのものの紛失やスタッフが携帯する業務用端末の盗難や紛失、利用者のものやその家族のものを破損させてしまう物損事故などがあります。
また、利用者には直接関係のないリスクもあります。スタッフの過労死やコンプライアンス違反(法令順守違反)、サイバーテロなども、訪問看護事業において発生しうるリスクであるといえるでしょう。
リスクの分析
リスクの洗い出しができたら、次にリスクアセスメントを行います。それぞれのリスクが発生する確率や影響度の大きさについて評価しましょう。影響度の大きさは、利用者の命に直接関わるものほど大きくなります。
ある程度分析ができたら、リスクへの対応計画を立案する際の優先順位まで考えられるとよいでしょう。
対応計画の立案
リスクの洗い出し・分析をもとに、具体的な対応計画を立案します。リスクの回避・損失防止・損失削減のために事前にできることを、できるだけ具体的に計画することが重要です。
特に、わが国において近年多数発生している大規模災害に対しては、BCP(事業継続計画)を立案しておくことが重要です。
リスクに対し計画を立案したら、実現可能なレベルであるかどうか、全スタッフが理解し実践できる内容であるかどうかも常に考え、周知のための研修も行うようにしましょう。
評価
リスクマネジメントにおいても、看護過程と同じように評価を行い、PDCAサイクルを回し続けるのが大切です。
実施した内容の効果を評価し、改善点を洗い出すことで、より良い対応計画にしていきましょう。
評価は、実際にリスクが発生した際はもちろんのこと、そうでないときにもこれから起こり得るリスクを想定して改善策を検討することが重要です。
訪問看護におけるリスクマネジメントには『iBow』
『iBow』は、セキュリティ対策がしっかりしており、災害時にも使える訪問看護専用電子カルテシステムです。
『iBow』では、記録した内容や撮影した写真は端末には一切保存されず、『iBow』上の専用サーバーでのみデータが保存される仕組みになっているため、万が一端末を紛失したり盗難されたりしてしまっても、利用者に関するデータや記録が漏洩することはありません。さらに、『iBow』のシステムを開く際には専用のIDとパスワードが必要になるため、紛失しても第3者がアクセスできる可能性は低いといえます。
また、紙カルテと異なるため、災害時にも利用できます。紛失したり記録が読めなくなってしまったりするリスクが少ないため、万が一の備えとしておすすめです。
『iBow』の危機管理セミナー
『iBow』では、感染対策など訪問看護に関するさまざまなリスクを想定した危機管理対策セミナーを開催しています。
訪問看護ステーションをリスクから守る運営方法について学びたい管理者や経営者、訪問看護ステーションにおける新型コロナウイルス感染症対策を学びたい人におすすめの内容となっており、以下のことが学べます。
・リスクマネジメント:リスクの予防と分析
・クライシスマネジメント:被害を最小限にするために行う一連の活動および対処法
・スタッフが相談しやすい環境づくり
・実際に危機に直面した際の対応
・新型コロナウイルス感染症への対応策
詳細は
こちらをご覧ください。
まとめ
今回は、訪問看護におけるリスクマネジメントについて解説しました。今後ますます需要が拡大していくであろう訪問看護において、安全な医療を提供するためには日々のリスクマネジメントが欠かせません。
訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』を活用し、万全なリスクマネジメントを目指しましょう。