訪問看護ステーションは、地域の人々の健康を支える重要な地域医療の1つであり、今後ますますそのニーズが高まると期待されています。そのためには、地域に求め続けられる運営が大切です。
ステーションを構成する重要な要素は「人材」です。少子高齢化社会が進み、医療・介護業界も人材不足は大きな課題の1つとなっています。事業を継続するためにも「人員計画」が重要です。
では人員計画とは、具体的にどのようなことをするのでしょうか。ここでは人員計画の概要とメリット、人員計画の具体的な立て方などについて紹介していきます。
1人員計画とは
2要員計画との違い
3人員計画の立て方
3-1職場の現状を把握する
3-2必要な人員数を経営者と話し合う
3-3スタッフの確認を行う
3-4組織図の再編成
4適切な人材マネジメント管理を
5まとめ
人員計画とは
人員計画とは、部署やプロジェクトなどに、どのような人材をどのくらい配置するかを計画することで、個々の特性や経験、スキルなどをもとにスタッフを適材適所に配置していきます。また雇用形態、昇格などの策定、スタッフ教育やスキル開発なども計画の中に含まれています。
人員計画は、長期的なビジョンで行われる人事戦略の1つであり、一般的には10年先を見越して計画すると言われています。人員計画を立てることで、いくつかのメリットが考えられます。
まず、経営計画に沿った採用を行うことができます。人員計画に基づいていれば、経営層が「予算を減らしたい」「人数を増やしたい」という計画にも、適切な人数のスタッフを採用、配置することができます。
もともと人数が不足気味だったのに「予算が足りないから採用しなかった」となれば、途中退職や療養などイレギュラーな事態が発生した場合、業務が回らなくなる可能性があります。反対に「人数を増やしたいと言われたので、採用したら多すぎた」となれば、必要以上に人件費がかかってしまいます。
このような事態を防ぎ、利用者に安定したサービスを提供するためにも、人員計画が重要なのです。
また適切な人材を適切な場所に配置することは、スタッフのパフォーマンスの最適化、質の良いサービスの提供につながります。ストレスの少ない・働きやすい職場づくりを目指すことができれば、スタッフの定着率も高まります。
そして、経営目標が明確になることも大きなメリットの1つです。人員計画は、経営目標に沿って人数・人材を決めていきます。それが、働き方や職場環境が経営目標を達成できるものであるか評価を行い、課題が出てきたらスタッフの増員や役割の変更、スキル開発のサポートなど改善を行っていきましょう。
これらを繰り返していくことで、経営ビジョンが明確になり、目標達成に向けた組織力を強化することができます。
要員計画との違い
「人員計画」のほかに、類似する言葉として「要員計画」というものがあります。要員計画も人事に関する施策の1つではあるものの、同じ意味ではありません。
要員計画は、経営や事業全体のために「どのくらい人材が必要か」を見積もることで、人員計画は部署やプロジェクトなどに「どのような人材が必要か」を計画することです。
会社を構成する要素の1つとして重要なのが、必要なスタッフの人数であり、それが要員です。要員は既存のスタッフも考慮しながら人員を補うため、一般的には採用計画の前に進める傾向があります。
また要員計画は、人員計画を行うための基盤であり、人件費などの予算、雇用形態別の人員数の計画なども含まれています。
人員計画は、どの部署(あるいはプロジェクト)にどのようなスキルを持った人材がどれだけ必要なのか、具体的に計画を立てます。計画立案では、個々のスタッフの意向なども反映させることが大切で、ヒアリングなどで綿密な調査を行います。
いずれにせよ採用計画・要員計画・人員計画は密接に関連しているため、これらの計画の誤差をできるだけ少なくするように、それぞれの計画を立てていくことが重要です。
人員計画の立て方
それでは、人員計画の立案はどのように行われるのか大まかな概要をみていきましょう。業種や規模、経営目標などによってやり方は異なりますが、ここでは基本的に押さえておきたいポイントをステップごとに紹介します。
職場の現状を把握する
まずは、職場や部門の人材の状況を把握します。スタッフの人数、氏名、役割/役職、雇用形態、配置などのデータを正確に洗い出し、組織図をつくりましょう。これを基盤として、ステーションがどのような人員によって、どのように業務が進められているのかをまとめ、次のステップに進みます。
必要な人員数を経営者と話し合う
組織図をもとに、必要な人員数が確保できているか、経営者・管理者と話し合いましょう。採用計画や要員計画などのすり合わせを行い、目標設定、予算などを決めていきます。経営ビジョンや経営計画に沿ったものであるのか、適切な出費かなど経営者との差異がないか確認しながら行うことが大切です。
スタッフの確認を行う
次に、スタッフとの話し合いを行います。訪問看護ステーションは小規模事業が多いため、人数の確認はそれほど困難ではありませんが、規模の大きいステーションの場合は、それぞれの部門のリーダー、サテライトオフィスなどを持っている場合は、それぞれの拠点のリーダーまたは管理者と話し合います。
スタッフの意見や希望なども聞き取りを行い、必要な役割の人数を集計します。全ての希望を取り入れることは難しいですが、現場で働くスタッフの声を取り入れることも、働きやすい職場づくりを行う上で欠かせません。
組織図の再編成
スタッフやリーダーの意向、予算などを加味して改めて必要な人員の配置、割り当て、採用などを計画し、もとの組織図から再編成を行いましょう。どのような人材が足りているのか、不足しているのか、正社員か、契約・パートかなど、詳細な計画を立てていきます。
サテライトオフィスなど拠点を増やす、事業を増やす場合も、人員確保のために既存スタッフの調整や採用を検討します。必要に応じて、研修や勉強会、実習などを行いスキルアップのフォローを行うことも大切です。
適切な人材マネジメント管理を
人員計画は適材適所に人材を配置することですが、人材を増やす場合には採用のミスマッチを防ぐことも重要になってきます。
ミスマッチが発生すると、職場環境の悪化、急な離職によるスタッフの不足などが考えられるだけでなく、面接から人材育成のためにかかったコストが無駄になってしまうでしょう。
そこで、訪問看護専用電子カルテ『iBow』では、看護記録を行うだけでなく、適切な人材マネジメントツールとして活用することができます。
『iBow』は、訪問スケジュール、訪問件数、電話対応など細かな記録を行うほか、看護計画、雇用保険・介護保険の人数、実施状況も確認できます。これらの情報をそれぞれ統計データとして出力することで、組織図の作成や人員調整などを、分析結果に基づいて行えます。
また、日々の記録や計画書の管理、利用者の状況管理を確認できるため、必要に応じて人員の配置調整、能力開発などのフォローアップを行うことも可能です。
さらに直近の目標などを設定し、策定した内容をファイルにまとめてスタッフ全員で共有することで、エンゲージメントを高めることもできます。
まとめ
人員計画は、長期的な目線で計画を行う必要があるため、時間のかかる作業です。現状を客観的に可視化するためにも、効率的にデータをとる手段としてぜひ『iBow』を活用してみてはいかがでしょうか。
10年先のステーションを見据えながら、働きやすい職場づくり、継続できるステーションづくりを実現していきましょう。