訪問看護では、利用者に対し安全で質の高い看護サービスを提供するために、最低限配置しなければならない人員や人数に関してルールが定められています。訪問看護ステーションには、それらのルールを守った運営が義務付けられています。
そこで今回は、訪問看護の常勤換算について、そして人員配置基準について解説します。
目次
1 常勤換算とは
2 常勤換算の具体的な計算方法
3 休暇や兼務がある場合の常勤換算の考え方
4 人員配置基準とは
5 常勤換算表を自動作成できる『iBow KINTAI』
6 まとめ
常勤換算とは
訪問看護における人員基準においては、常勤換算方法で2.5名以上の配置が義務付けられています。常勤換算として数えられるのは、保健師、看護師、准看護師のみで、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などは常勤換算に含むことができません。
そもそも、常勤とは何なのでしょうか。厚生労働省は、常勤について「当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本とする)に達していることをいうもの」と定義しています。
参考)厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」
https://www.mhlw.go.jp/よって、訪問看護における常勤とは、ステーションが定める所定労働時間分を勤務する職員のことをいいます。つまり、ステーションが定める所定労働時間分を勤務する職員であれば、パートタイマーやアルバイトのスタッフであっても常勤として計算することとなります。
これらのことを踏まえると、訪問看護における常勤換算とは、ステーションに従事する保健師、看護師、准看護師を常勤として数えた場合に何人分であるかを算出したものとなります。
常勤換算の具体的な計算方法
常勤換算は、「常勤職員の人数」+「(非常勤職員の勤務時間)÷(常勤職員が勤務すべき時間)」、もしくは「全職員の合計労働時間数」÷「常勤職員の所定労働時間数」という計算式によって求められます。どちらの計算式を使っても、出てくる数字は同じです。
具体的な例を用いて考えてみましょう。
例えば、就業規則における常勤の勤務時間を週40時間と定めている訪問看護ステーションにおいて、常勤のAさんとBさんが週に40時間、パートタイマーのCさんとDさんが週に30時間、アルバイトのEさんが週に10時間勤務していることを想定してみましょう。
この状況を上記の計算式に当てはめると、
2+{(30+30+10)÷40}=2+1.75=3.7(小数点第2位以下切り捨て)
{(40+40+30+30+10)÷40}=3.7(小数点第2位以下切り捨て)
となり、このケースの場合は基準を満たしていることになります。
休暇や兼務がある場合の常勤換算の考え方
休暇や兼務がある場合の常勤換算の考え方にも決まりがあります。
休暇については、常勤の場合は、有給休暇や出張なども勤務時間に含めて計算できますが、非常勤の場合のそれらは常勤換算上の勤務時間に含むことができません。
また、常勤の場合でも、産前産後休暇や育児休暇など1カ月を超える休暇の場合には勤務していないものとみなし、常勤換算上の勤務時間に含むことはできません。
しかし、令和3年度の介護報酬改定の際、育児や介護による休暇の場合における常勤換算の方法が緩和され、育児や介護による短時間勤務制度を利用して勤務する場合には、週30時間勤務することで常勤1人分としての換算が認められるようになりました。
参考)厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf一方、兼務・兼業の場合は、同一敷地内で同一法人が運営するもので並行的に業務が行われることが差し支えない場合にのみ、勤務時間を合計して常勤換算できることになっています。施設が別の敷地にある場合などには勤務時間を合計して計算することができないため、注意が必要です。
人員配置基準とは
これまで、常勤換算について解説してきましたが、訪問看護ステーションにおいてはそれ以外にも人員配置について基準が設けられています。
訪問看護における人員配置基準は以下のとおりです。
・サービスの提供にあたる保健師、看護師または准看護師を常勤換算方法にて2.5名以上配置していること(保健師、看護師、准看護師のうち1名は常勤であること)
・保健師または看護師である管理者を1名配置していること
・理学療法士、作業療法士または言語聴覚士を実情に応じた適当数配置していること
参考)厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」
https://www.mhlw.go.jp/人員配置基準について最も注意が必要なのは、実地指導です。多くのステーションが新規開業後1年以内に実地指導を受けますが、その際人員配置基準に関しては必ず確認されるといっていいでしょう。人員配置基準や常勤換算については、開業前にしっかりと確認しておくことが重要です。
常勤換算表を自動作成できる『iBow KINTAI』
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まとめ
今回は、訪問看護の常勤換算について解説しました。
訪問看護ステーションは、常勤換算を含め人員配置基準を満たしていなければステーションとして成立せず、認められませんので、管理者にはスタッフの急な休暇や退職なども想定して人員確保・管理を行っていくことが求められます。
勤怠管理にはぜひ『iBow KINTAI』を活用し、常に人員配置基準を満たした状態でステーションの運営ができるようにしていきましょう。