近年、電子カルテ化が進む一方で個人情報管理の問題が話題となっています。
医療業界では地域連携やクラウドサービスの普及などにより、個人の情報を他事業所や病院などと共有することも増えてきているため、情報セキュリティの観点から二要素認証が必須化されてきています。
今回は医療情報システムのセキュリティにおける二要素認証について解説します。これからの情報管理には重要なことですのでしっかりと把握しておきましょう。
1医療情報システムの安全管理に関するガイドラインとは
2二要素認証とは?二段階認証との違い
2-1二要素認証とは?
2-2二段階認証とは?
2-3二要素認証と二段階認証との違い
3認証対策で得られる本当のメリットとは?
3-1職種に関係なく統一した環境を整えることができる
3-2シングルサインオンで負担軽減と業務効率化ができる
3-3共有して使うパソコンやIDでもセキュリティ強化できる
3-4感染対策をしていても認証ができる
4訪問看護の皆さまがより安全に運営できる、新しいiBow
5まとめ
医療情報システムの安全管理に関するガイドラインとは
医療機関で扱われる情報は個人情報など重要な情報が多くあります。
そのため、厚生労働省や経済産業省と総務省から電子カルテなどの医療情報を取り扱う人に対して「3省2ガイドライン」と呼ばれるガイドラインが発表されました。
その内の一つである厚生労働省は令和3年1月29日に医療機関に向けて作成されている「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5.1版」を作成しています。
このガイドラインでは主に、クラウドサービスや認証・パスワード、サイバー攻撃等による対応、パスワードの保存などを請け負う外部事業者の選び方の基準などが盛り込まれています。
その中の1つである、認証・パスワードの対応で二要素認証により、リスクの排除と正確な本人確認が行えるとされています。ガイドラインの策定で、令和9年度時点で実際に使用しているであろう医療情報システムを利用する場合、原則として二要素認証が導入されていることが必要になってきます。
これまで二段階認証が多く使われてきましたが、二要素認証を推奨することでどのようなメリットがあるのか、そもそも二要素認証とはどのような認証方法なのかを次項で見ていきましょう。
二要素認証とは?二段階認証との違い
二要素認証について詳しく見ていき、二段階認証との違いを確認してみましょう。
二要素認証とは?
二要素認証とは、本人確認のために2つの異なる要素を組み合わせて認証を行うことを言います。
認証に使用する要素としては、認証しようとしている本人しかしらない知識を使うIDやパスワード、決められた言葉などの「知的要素」とICカードやスマートフォンなどのSMS認証などを使用した「所有要素」、認証する人の身体的要素(指紋や目の虹彩など)を用いた「生体要素」とされる3つです。
知的要素と生体要素、所有要素と生体要素など、2つの違う要素をかけ合わせて認証を行うことが二要素認証となります。
二段階認証とは?
二段階認証はIDとパスワードのように2種類の知的要素で認証を行った後に、もう一度知的要素を問われて合致していると認証されるというものになります。
二段階認証は二つの段階を経て認証を行うため、認証を破られる確率が低くなる仕組みになっています。二段階認証ではパスワードやID、秘密の質問を覚えておく必要があります。
他の人に見える場所や無くしやすいメモに記載しておくことは他人に利用される危険性があるため、絶対に避けましょう。
二要素認証と二段階認証との違い
二要素認証と二段階認証の内容を見てもわかる通り、異なる要素か同じ要素を2回使用するかが違いとなっています。
どちらもIDとパスワードのみの認証よりはセキュリティ面で安全だと考えられます。しかし、二段階認証は他人にパスワードや秘密の質問などを他人に見られたり、情報が漏洩したりすることが考えられます。
情報が漏洩してしまったり故意に教えてしまったりすると、本人でなくても認証ができてしまい、本人でなくてもログインできてしまいます。
二段階認証に比べ、二要素認証であれば認証の三要素を組み合わせることで、本人でないとログインできない状況にすることができます。
知的要素または所有要素で認証を行い、生体要素を組み合わせることで、本人によってのみログインすることができるため、セキュリティは強固なものとなります。
認証対策で得られる本当のメリットとは?
二要素認証について理解ができたところで、メリットを確認していきましょう。
職種に関係なく統一した環境を整えることができる
病院では、医師や看護師、医療事務などいろんな職種が働いています。しかし最近では、病院外で勤務するケースも増えてきています。例えば、看護師は訪問看護や災害現場での活躍、医師や医療事務は在宅ワークなど医療機関以外の場所からの活躍です。
このように働く場所、職種が違う場合でもタブレットパソコンなどを使用し、生体認証が含まれた二要素認証を利用するよう、ガイドラインに沿った対策が導入することができます。
二要素認証をすることで病院外や病院内のどこにいても認証に不便さがなく、組織外への情報流出などの危険性も低減して働くことが可能となります。
シングルサインオンで負担軽減と業務効率化ができる
シングルサインオンとはIDとパスワードによる認証を一度行うことで電子カルテや複数アプリにログインできる仕組みです。
訪問看護などでも、請求ソフトや記録ソフトなどさまざまなアプリを扱うことが多くあります。シングルサインオンを活用し、最初の認証を生体認証が含まれる二要素認証にするだけで、毎回のログインやアプリごとのパスワード管理もなくなりますので、ユーザーの負担軽減と業務効率化が図れます。
共有して使うパソコンやIDでもセキュリティ強化できる
医師や看護師は病棟にあるパソコンやタブレットで電子カルテを共有して使用することがあります。
それぞれのIDやパスワードを確認するのは手間がかかり、統一したアカウントにするとセキュリティが弱くなってしまいます。
そこで共通のパスワードを生体認証にすることで、共通アカウントはそのまま変更せず、認証したユーザーがいつ利用したのか確認ができ、ガイドラインで求められているレベルの管理ができます。
感染対策をしていても認証ができる
医療現場では感染対策が必須の場面も多くあります。感染予防のため、現在では手袋をその都度外してパスワードを打ち込んだり、画面を開いた状態にしたまま業務を行ったりすることもあります。
そのような現場でも顔認証や虹彩認証などの生体認証を利用すれば、サービスの認証を行うことができます。必要な時に認証を行うことでプライバシーの保護にもなりますし、感染対策にも役立ちます。
訪問看護の皆さまがより安全に運営できる、新しいiBow
訪問看護では外部にタブレットを持ち出して情報を確認することや入力する必要があります。
また業務の効率化として、移動の空き時間を利用した医療機関への報告書の作成や訪問予定の確認、他の看護師との情報共有を行うこともあります。
『iBow』では安全に閲覧できるシステムを導入していますので、外部での利用者の全ての情報を閲覧、入力することができます。そのため予定外の訪問やオンコールの対応などでも安心して利用することができます。
まとめ
認証の三要素を利用した二要素認証や二要素認証を利用するメリットについて解説してきました。
ICT化が進む中、医療機関という組織で扱う個人情報の流出などのリスク管理はとても重要になってきます。生体認証を含めた二要素認証を行うことでユーザーの負担軽減や業務効率化が図れるなどのメリットもあります。
令和9年度に稼働しているものについては必須の条件になるため、二要素認証についてはこれから理解を深めていく必要があります。利用者の情報や組織を守る上でも二段階認証を利用している方は早めの二要素認証への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。