訪問看護で適応される保険制度は主に介護保険と医療保険になります。この2つの保険制度が基本となって運営されていくため、レセプト請求のときや利用契約のときに、保険制度の違いが説明できないと困ります。
今回は医療保険と介護保険の制度を理解するための勉強方法や2つの保険制度の使い分け・よくある質問、おすすめの本を紹介していきます。
1訪問看護の制度の勉強方法
1-1本から情報を得る
1-2実体験から学ぶ
1-3研修会へ参加する
2医療保険と介護保険の使い分け
2-1医療保険の訪問看護
2-2介護保険の訪問看護
2-3医療保険と介護保険の間違えやすいポイント
3よくある加算方法におけるQ&A
3-1複数の訪問看護ステーションの利用
3-2一度も計画的な訪問をしたことがない方の緊急時訪問
3-3医療機関の退院日に訪問
4おすすめ本のご紹介
5iBowカスタマーサポート
6まとめ
訪問看護の制度の勉強方法
訪問看護の制度を理解するために勉強方法を見ていきましょう。
本から情報を得る
基本となるのは自身が知りたい情報を本から得ることです。ネット社会の現代では、ネットやSNSなどで多数の情報を得ることできます。しかし、ネットの情報では正しい情報とは限りません。
本は情報元がはっきりしていることに加えて、他の関連情報も網羅することができます。読んでいくうちに、実は知らなかったことや自身が間違って理解していたことにも、気づかされるでしょう。
ネットの方が手軽ですが、基本に立ち返って本から情報を得る癖をつけましょう。
実体験から学ぶ
看護師は学生時代に臨床実習を終えて、国家試験に臨み、合格して看護師となります。臨床実習で得た学びは年数が経過しても覚えていることが多いです。
座学による基礎的な知識も大切ですが、実際の体験も学ぶ機会としてはとても大切です。
実際に請求業務を行ってみる、模擬で契約書の説明をステーションの看護師同士でしてみるなどの研修会を開催し、体験してみることをおすすめします。
実際に体験して説明することにより、理解できていない制度内容や加算内容なども把握できます。
セミナーへ参加する
セミナーへ参加すると、最新の情報を得られる可能性が高いです。最近ではオンライン研修や研修会場とオンラインのどちらでも選べるハイブリッド研修もあります。
以前に比べて有名な講師の研修を受けられる機会が増えてますので、気になる講師や題目のセミナーをチェックしておきましょう。
しかしセミナーの内容は題目のみで判断しなければならないことも多々あります。しっかり吟味しセミナーに参加しましょう。
医療保険と介護保険の使い分け
訪問看護の基本ルールとなる医療保険と介護保険の使い分けについて見ていきます。この2つの制度を同時に利用することはできず、条件によって適応する保険が決まります。
医療保険の訪問看護
医療保険は、40歳未満の方や16特定疾病に当てはまらない方、65歳以上の方で介護保険の認定がないことや、介護認定を受けていても別表7で特別訪問看護指示書が交付されている方が医療保険での訪問看護の対象となります。
医療保険を利用する方に多いのが、小児の訪問看護に加え、高齢者でもがん末期などの週に4日以上の頻回な訪問が必要な症例(毎日の点滴を行うなど)です。医療保険の訪問看護(特別訪問看護指示書を交付された場合)では、週に4日以上の訪問が可能となり、きめ細かい医療処置や経過観察が行えます。
介護保険の訪問看護
介護保険の場合はわかりやすく、65歳以上で介護認定があれば介護保険を利用です。
医療的ケアが必要な小児の方や40歳未満の方の場合には介護保険の申請ができないため、利用することはできません。40歳以上65歳未満であれば、国の定める16特定疾病に該当する方は介護保険の申請を行うことができます。
介護保険の場合は、要介護度ごとに区分支給限度額が決まっています。この限度額内であれば1割から3割で訪問看護を利用可能です。
要介護度や訪問看護を利用する時間によってどのぐらい利用できるかが変わってくるため、訪問看護の利用を検討する時には担当ケアマネジャーに相談してみましょう。
医療保険と介護保険の間違えやすいポイント
医療保険の適応だと思ったら介護保険だったというように間違えて制度を利用している場合も少なくありません。
例えば、医療保険だった方が介護保険に戻る場合に注意が必要です。特別訪問看護指示書が交付され14日間経過していたにもかかわらず、医療保険のまま請求していた場合には返戻対象となってしまいます。
他にも留置カテーテルが入っていて、特別訪問看護指示書がこれまで交付されていたが、カテーテルを抜去し、介護保険の訪問看護指示書に変更になったにもかかわらず医療保険で診療報酬を算定してしまっていたということもあります。
医療保険で訪問看護を行う際には、なぜ医療保険の適応なのかと指示期間を確認する必要があるのです。
よくある加算方法におけるQ&A
それでは加算に対する悩みについて、厚生労働省が出しているQ&Aを見ていき、他のステーションの方がどんなお悩みがあるのか事例を遠して見ていきましょう。
Q退院時共同指導加算は、退院又は退所1回につき1回に限り算定できることとされているが、利用者が1ヶ月に入退院を繰り返した場合、1月に複数回の算定ができるのか。
A算定できる。ただし、例2の場合のように退院時共同指導を2回行った場合でも退院後1度も訪問看護を実施せず再入院した場合は、退院時共同指導加算は1回のみ算定できる。
(例1)退院時共同指導加算は2回算定できる
入院→退院時共同指導→退院→訪問看護の提供→再入院→退院時共同指導→訪問看護の実施
(例2)退院時共同指導加算は1回算定できる
入院→退院時共同指導→退院→再入院→退院時共同指導→訪問看護の実施
Q緊急時訪問看護加算について、当該月において利用者が一度も計画的な訪問看護を受けていない時点で緊急時訪問を受け、その直後に入院したような場合に、当該緊急時訪問の所要時間に応じた所定単位数の訪問看護費と緊急時訪問看護加算をそれぞれ算定できるか。
A緊急時訪問加算について、体制にかかる部分と実際の訪問にかかる部分を別に算定することとした。当該体制は1月を通じて整備される必要がある。
緊急時訪問看護加算は、当該月の第1回目の介護保険の給付対象となる訪問看護を行った日に加算されるものであるため、第1回目の訪問が訪問看護計画に位置付けられていない緊急時訪問である場合にも加算できる。
なお、緊急時訪問を行った場合は、当該訪問の所要時間に応じた訪問看護費を算定することになる。この場合、夜間・早朝・深夜の加算は算定されない。
(緊急時訪問看護加算を算定する事業所においても、当初から計画されていた夜間・早朝・深夜の訪問については当該加算を算定できる。)
Q老人保健施設や介護療養型医療施設の退所・退院した日においても、特別管理加算の対象となりうる状態の利用者については訪問看護が算定できることになったが、他の医療機関を退院した日についても算定できるか。
A算定できる。
引用)訪問看護における厚生労働省のQ&A
https://www.mhlw.go.jp/おすすめ本のご紹介
冒頭でもお話しした通り、まずは本から情報を得ることをおすすめします。
しかし現在、訪問看護の制度を解説した本は数多く存在しているため、どの本が良いのか悩むと思います。訪問看護の介護保険や医療保険について、詳しく書いてある書籍を選びましょう。
日々、訪問看護の電子カルテを良くするために『iBow』のスタッフも読んでいる書籍を紹介しているので参考にしてみてください。
『iBow』スタッフも読んでいる!訪問看護で役立つおすすめ本5選
https://ewellibow.jp/useful/information_20220121/このページで書かれている本は、介護保険や医療保険についてしっかりと書かれている物ばかりです。制度の書籍というと分厚くて嫌煙されがちですが、とても見やすい本や雑誌程度の厚さしかない本もあります。
かわいい絵や図で、制度の解説や訪問看護指示書など必要書類の解説、介護保険制度改訂や医療保険制度改訂の解説、加算要件や減算要件の表なども入っているため、現在の制度になるまでの遍歴までわかります。
また制度の解釈に困る方も多く、さまざまな疑問に答えていく書籍もおすすめです。実際に理解しにくいため質問されてきたことが掲載されていますので、実用書としておすすめです。
iBowカスタマーサポート
『iBow』にはサポート体制でカスタマーサポートを設置しています。カスタマーサポートは『iBow』利用者に訪問看護業務に専念していただくために設置され、制度に精通したスペシャリストを揃えて対応しています。
いつでもどこからでも問い合わせが可能で、丁寧に案内されていますのでスムーズにやりとりが可能です。
まとめ
訪問看護には医療保険と介護保険の適応があります。しかし制度の複雑化でどちらの制度を選択するべきか判断しなければなりません。しっかり本や経験で知識を得て、実際に体験し習得していくことが近道です。