訪問看護の仕事は、雇用形態にかかわらず働きやすい職場と言われています。その中でもパート勤務は、自分で曜日や勤務時間を選べるため、訪問看護ステーションのスタッフにも多い働き方でしょう。
しかし正社員とは給与面や待遇、仕事のスタイルに違いがあります。パート勤務と一口に言っても、週1で数時間働くという人や、正社員なみの勤務日数で働く人、週4時間で働く人などさまざまで、運営側にとっては労務・勤怠管理が複雑になりがちです。
ここではパート勤務を雇用するに当たり、知っておきたいパート勤務の概要や労働条件、社会保険加入条件、訪問看護におけるパート勤務のメリットなどを把握しておきましょう。その上で、正社員やパート勤務など雇用形態の異なる管理方法についても紹介していきます。
1パート勤務とは
2パート勤務者の社会保険加入条件
3訪問看護におけるパート勤務のメリット
3-1勤務時間/日数などを選びやすい
3-2仕事内容/人間関係などのストレスが少ない
3-3急な休みにも対応できる
4訪問看護の勤怠管理なら『iBow KINTAI』
5まとめ
パートタイム勤務とは
そもそも、パートタイム勤務とはどのような働き方を指すのでしょうか。「パートタイム労働法」には、「1週間の所定労働時間で働く通常の労働者に対し、労働時間が短い労働者」と表現されています。
参考)厚生労働省「パートタイム労働者とは」
https://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1e.html分かりやすく言うと、例えば会社や事業所で所定の労働時間が1日8時間・週5日とすると、週の労働時間は40時間になります。それよりも短い時間で働く労働者をパートタイム勤務としているのです。
定められた労働時間で働く人を「フルタイム労働者」、パート勤務を「短時間労働者」と呼ぶこともあります。フルタイム労働者は正規雇用(正社員)であることが一般的ですが、ほかに嘱託員、契約社員、派遣社員、準社員、業務委託などもあり、短時間労働者にはパート、アルバイトなどが多くなります。
ただし、これらはすべて労働契約上の違いであり、短時間労働者との違いはありません。パート勤務は短時間労働が多いですが、中にはフルタイムで働くケースもあります。フルタイムでも短時間労働でも、時給はパートとして計算されていることがほとんどであり、業務責任の度合いが異なるなどの違いがあります。
訪問看護の場合は、訪問頻度の高い利用者を1人で任せることや、迅速な対応や判断が求められるオンコール対応などを任せることは難しくなります。複数人などチームで訪問をする仕事や交代で訪問をする仕事、訪問時間の短い仕事などに対応する人材を求めるケースが多くなるでしょう。
2022年10月からは、パート勤務者に対しても労働条件を明示することが義務づけられました。契約期間、仕事をする場所と職務内容、休日・休暇、所定外労働の有無、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無なども説明する必要があります。
職務内容、配置転換や昇給などの人材活用、契約期間の3つが正社員と同じになる場合は、賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇においても規定が設けられています。これから採用するパート勤務者のみならず、更新する勤務者にも適用されるので注意しましょう。違反した場合は、パート勤務者1人の契約ごとに10万円以下の過料に処せられます。
パート勤務者の社会保険加入条件
正規雇用やフルタイム労働者と短時間労働者との違いには、社会保険があげられるでしょう。厚生年金保険や健康保険といった「社会保険」は、法人であれば必ず加入する必要があります。訪問看護事業は法人格なので、正規雇用者やフルタイム労働者に適用されますが、パート勤務者の場合は、一定の条件が必要です。
社会保険の加入対象となるのは、従業員101名以上の企業で、以下の要件を満たす必要があります。
・フルタイム勤務または週の所定労働時間/月の勤務日数がフルタイム勤務の4分の3以上
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上)
・2か月以上の雇用(または見込み)
・学生ではないこと
これらの条件を満たす場合は、社会保険の加入が義務づけられます。パートタイムからフルタイムに切り替わる場合は、給与から引かれるため手取りが少なくなることも理解してもらいましょう。反対に勤務時間を減らしたい場合は、フルタイムからパートタイムに切り替えます。勤務時間・日数によっては収入が増える可能性がありますが、パート収入が103万円を超える場合は所得税・住民税がかかります。
基本的にパート勤務は時給制です。パート勤務希望者が103万円を超えない範囲で働きたい場合は、103万円÷12か月=85,833円以内で働いてもらうことになるでしょう。
訪問看護におけるパート勤務のメリット
訪問看護では、パート勤務を行うことのメリットがあります。ステーションで採用する場合も、応募者のニーズに合う働き方が提供できるか確認しておきましょう。
勤務時間/日数などを選びやすい
訪問看護は、基本的にシフト制で訪問件数もほぼ決まっているため勤務時間が明確です。また基本的に土日が休みであるため、子育て中のスタッフには働きやすい環境と言えます。一般的にパート勤務者にオンコール当番を求めることはなく、勤務日数や曜日なども選択できるようにします。
仕事内容/人間関係などのストレスが少ない
パート勤務者は、常勤やフルタイム勤務者とペアを組み、曜日を変えて訪問する形をとっているケースも多くあります。同じ利用者を担当するスタッフをつけ、心配事や困りごとなどを相談しやすい仕組みをとれば、安心して働くことができるでしょう。
また、訪問看護は医療機関や施設勤務と異なり、個別の訪問業務となるため、スタッフ同士でのいざこざも少ない傾向にあります。
急な休みにも対応できる
子育て中のパート勤務者は、子どもの急な発熱や体調不良などで急な休みをとることがあります。訪問看護ステーションでその場合のフォローができる体制を整えておけば、ワークライフバランスを維持できる働きやすい職場になりメリットにつながります。
訪問看護の勤怠管理なら『iBow KINTAI』
訪問看護ステーションでは複雑なシフトやさまざまな勤務形態、勤務時間を管理しなければなりません。そこでソリューションとなるのが、勤怠管理ツール『iBow KINTAI』です。
『iBow KINTAI』は、さまざまなパターンの勤務シフトを登録できます。パターンには制限がなく、正社員から時短のパート勤務、契約社員などの複雑な勤務形態に合わせたシフト表や、独自のオンコール当番表なども作成可能です。管理者は、日々のシフトや勤務状況をリアルタイムに確認しながら、残業時間のチェックや急なシフト変更などを行えます。
また打刻機能は、GPS搭載で打刻した場所と時間を記録するため、直行直帰やテレワークにも対応します。中抜け、オンコールなどの時間外勤務、休日出勤など、1日に複数回の勤務が発生した場合でも記録から自動計算される仕組みになっており、勤怠管理も給与計算もスムーズになります。
スタッフはタイムカードいらずで、スマホなどの端末からワンタップするのみで打刻できます。ステーションに行ったり来たりする手間を省くことで、ワークライフバランスを考慮した働きやすい環境を実現できるのです。
まとめ
パートは、基本的に時給制のため勤務時間によって正社員よりも給与が高くなる可能性もありますが、やはり賞与や社会保険、福利厚生などがないこと、社会的信用度が低い傾向にあることなどがデメリットと言えるでしょう。
しかしパートタイム労働法の改正により、正社員とパート勤務者の格差を縮める取り組みやキャリアアップを助成する取り組みも行われています。パート勤務者を雇用するときは、働く意欲のある人材の確保、定着率を高める人材育成など将来的なキャリア形成も含めたマネジメントを考えていきましょう。
シームレスな管理業務を実現するために、訪問看護業務を効率化する電子カルテ『iBow』と、さまざまな雇用形態に対応する勤怠・シフト管理『iBow KINTAI』を組み合わせて導入してみてはいかがでしょうか。