身体的にも精神的にもハードな仕事である訪問看護においては、「辞めたい」と思っている看護師や、実際に退職を希望する看護師もいることでしょう。今後ますます需要が高まるであろう訪問看護においては、管理者や経営者が中心となってスタッフの離職予防に取り組んでいく必要があります。
そこで今回は、スタッフが訪問看護を辞めたいと感じる理由と対処法について解説します。経営者や管理者は参考にしてください。
目次
1 訪問看護を辞めたいと思う理由
1-1一人でのケアによる責任や負担が大きい
1-2病棟とのギャップに疲弊する
1-3オンコール当番への負担がある
1-4利用者や家族との関係性にストレスを感じる
1-5休みが取りにくい
2 訪問看護のスタッフを辞めさせない対策
2-1業務量の調整
2-2緊急対応や休日出勤後にはきちんと代休を設ける
2-3サポート体制・教育体制を見直す
2-4スタッフとのコミュニケーションを密に図る
3 働きやすい環境づくりに『iBow』
4 まとめ
訪問看護を辞めたいと思う理由
訪問看護師が仕事を辞めたいと思う理由を5つ紹介します。
一人でのケアによる責任や負担が大きい
訪問看護では、原則として看護師一人で利用者の自宅を訪問します。すべてのケアや判断を一人で行わなければならないため、身体的・精神的負担は大きいといえるでしょう。
訪問看護師になる以前に病棟などでキャリアを積んでいた看護師であったとしても、一人での判断に迷うことがあるはずです。その場で他のスタッフに助けを求められないため、責任が重く、プレッシャーや重圧により退職を検討する看護師もいることでしょう。
病棟とのギャップに疲弊する
病棟と訪問看護では、業務量や業務内容に違いがあります。そのギャップについていけず、「辞めたい」と感じる看護師も少なからずいるはずです。
訪問看護は、看護を提供する場が利用者の自宅である点や、利用者の療養生活だけでなく生活もサポートする必要がある点で、病棟での看護とは大きく異なります。新鮮な気持ちで訪問看護師になったものの、病棟とのギャップに疲弊してしまうことや、訪問看護は自分には合わないなどと感じることで、訪問看護を辞めたいと思う理由になることもあります。
オンコール当番への負担がある
オンコール当番があることも、訪問看護の特徴の一つです。当番の日は、夜間や休日であってもいつ呼び出しがあってもいいよう待機しなければならないため、苦痛に感じることもあるでしょう。また、オンコール当番中に緊急対応があった場合でもその後の代休が保障されないこともあり、休日出勤が増えることで身体的・精神的疲労が募り、不満を感じる看護師もいます。
利用者や家族との関係性にストレスを感じる
訪問看護では、利用者やその家族と深く関わることになります。利用者の状態や家族の状況、そして介護力などは、一つひとつの家庭によって大きく異なります。訪問看護師はそれぞれの利用者および家族と密にコミュニケーションを図るため、ときには日頃の生活への不満を耳にし、利用者と家族との間で板挟みになってしまうようなこともあるかもしれません。
また、利用者や家族との関係性がうまく築けず、精神的なストレスが募ることも考えられます。このような理由から、訪問看護の現場を離れたいと感じることがあるかもしれません。
休みが取りにくい
人手不足が深刻な問題となっている訪問看護業界においては、病棟などと比較して一つひとつの事業所に勤務する看護師数が少ないことから、思うように休みをとれない可能性があるでしょう。
とくに、育児や介護をしているスタッフは、急な休みが必要となった際に調整が難しく困りやすい状況にあります。ワークライフバランスの保持が難しいこと、家庭との両立が困難であることなどから、退職を検討する看護師もいます。
訪問看護のスタッフを辞めさせない対策
訪問看護ステーションの経営者や管理者は、訪問看護師が「辞めたい」と感じる理由を理解したうえで、適切な対策を講じ、スタッフの離職を予防する必要があります。
ここからは、訪問看護においてスタッフを辞めさせないための対策を4つ紹介します。
業務量の調整
管理者は、訪問看護ステーションにおいてはスタッフの経験年数や経験内容が個々によって大きく異なることをよく理解することが重要です。そのうえで、業務量を適切に調整することが求められます。経験が豊富なスタッフにはどうしても重症な利用者が集中してしまうことがあるかもしれませんが、そのような状態が続くと、スタッフは心身ともに疲弊してしまいます。
それぞれの利用者の病状やケア内容を正しく把握し、一定の看護師に業務負担が偏らないように調整することが大切です。
緊急対応や休日出勤後にはきちんと代休を設ける
平成27年度に全国訪問看護事業協会によって行われた調査によると、オンコール当番中に利用者のもとを緊急訪問した場合に、代休が保障されているのはわずか31.3%のみであり、57.0%もの事業所において代休が保障されていないことが明らかになっています。
参考)一般社団法人 全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーションにおける24時間対応体制に関する調査研究事業報告書」
https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/h27-2.pdf緊急訪問後に代休が保障されない状態が続けば、スタッフの疲労が増強してしまうことはいうまでもありません。管理者は、緊急訪問後には代休や半休を設ける、翌日の訪問を調整するなどして、スタッフのオンコール業務への負担軽減に努めましょう。
サポート体制・教育体制を見直す
スタッフの離職を防ぐには、サポート体制や教育体制の見直しも重要です。
ステーション全体でスタッフが悩みや不安を打ち明けやすい雰囲気づくりをしていくことはもちろんのこと、管理者はスタッフと定期的に面談を行うなどして一人ひとりへのサポート体制も強化しましょう。
教育に関しても、新人看護師や転職者に対するサポートが十分であるかを確認する必要があります。新人看護師や異動者など周囲のサポートを必要としている立場のスタッフであったとしても、看護師一人で訪問するという訪問看護の特性から、ひとり立ちした後にはわからないことや困ったこと等を聞きにくく感じてしまう人もいるかもしれません。一人で悩んだ後に退職してしまうという事態を防ぐためには、必要なスタッフにはプリセプターをつける、相談役をつけるなどの配慮が必要となるでしょう。
スタッフとのコミュニケーションを密に図る
管理者は、一人ひとりのスタッフとのコミュニケーションを意識し、スタッフが働きやすい職場づくりをめざしましょう。スタッフが抱いている職場や仕事への思いや、家庭のこと、キャリアアップのことなどについて耳を傾け、スタッフの働きやすさを意識した業務体制やシフト調整を心がけることが重要です。
働きやすい環境づくりに『iBow』
訪問看護においてスタッフの離職率を低下させるためには、管理者や経営者を中心として働きやすい環境づくりを心がけることが重要です。そこでおすすめしたいのが、訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』です。
『iBow』では、看護記録作成や書類作成などの業務を効率よくすすめられるため、訪問以外の業務負担を軽減でき、残業時間を減らせる可能性があります。また、迅速な情報共有が可能であるため、訪問中であっても利用者の情報を確認することや他スタッフへの報告・連絡・相談ができ、スタッフ一人ひとりの精神的な負担の軽減にもつながります。
まとめ
今回は、訪問看護師が仕事を辞めたいと感じる理由と、管理者や経営者の立場からの対策について解説しました。
一人ひとりのスタッフに、さまざまな理由で負担が大きな訪問看護師という仕事を長く続けてもらうためには、働きやすい職場づくりが何よりも大切です。まずは、訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』を導入し、スタッフの業務負担を軽減してみてはいかがでしょうか。