訪問看護師が作成しなければならない書類の一つに、「訪問看護報告書」があります。訪問看護報告書を作成する際には、いくつか注意すべきことがあります。今回は、訪問看護報告書に関して、その概要や書き方の例、提出時の注意点などについて解説します。
目次
1 訪問看護報告書とは
2 訪問看護の報告書の書き方例
2-1利用者に関する基本情報
2-2訪問日
2-3病状の経過
2-4看護・リハビリテーションの内容
2-5家庭での介護の状況
2-6衛生材料等の使用料および使用状況
2-7衛生材料等の種類・量の変更
2-8特記すべき事項
2-9作成者・職種
3 訪問看護報告書の提出に関するルール
4 訪問看護報告書作成には『iBow』
5 まとめ
訪問看護報告書とは
訪問看護報告書は、訪問看護指示書を作成した主治医に対し、実施した訪問看護の内容を報告する目的で提出が求められる書類です。
厚生労働省は、訪問看護報告書について以下のように定めています。
・看護師等は、訪問看護報告書には、訪問を行った日、提供した看護内容及びサービス提供結果等を記載すること。なお、特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を行った場合については、病状及び心身の状態等の変化等頻回な訪問看護を行う必要性とそれに対して提供した看護内容、サービス提供結果等を記載すること。
・指定訪問看護事業者は、主治医との連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を定期的に主治医に提出しなければならない。
引用)厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」
https://www.mhlw.go.jp/訪問看護報告書の提出先は主治医であり、ケアマネージャーへの提出は義務付けられていません。しかし、利用者の状況や看護についてまとめられた訪問看護報告書は、ケアマネージャーが現在の状況を把握しやすい書類となるため、ケアマネージャーから提出を求められることもあります。
その場合には、提出に協力することが望ましいとされています。
訪問看護の報告書の書き方例
訪問看護報告書は、厚生労働省が定めた様式に沿って作成します。
参考)厚生労働省「訪問看護計画書及び訪問看護報告書」
https://www.mhlw.go.jp/利用者に関する基本情報
まず、利用者に関する基本情報を記載します。利用者氏名、生年月日、要介護認定の状況、住所を記入しましょう。
訪問日
訪問看護報告書では、いつ、誰が訪問看護を行ったかを明らかにする必要があります。
様式にはカレンダーが表示されていますので、年と月を記入した後、訪問した日にちを〇で囲みます。なお、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による訪問看護の場合には♢、特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を行った日は△、緊急時訪問を行った日は×で囲みましょう。
カレンダーは2ヵ月分印字されているため、基本的には左側のカレンダーを使用します。訪問日が2月にわたる場合には、右側のカレンダーも使用しましょう。
病状の経過
続いて、病状の経過を記録します。看護問題ごとに整理すると、主治医が理解しやすいでしょう。主な傷病名とバイタルサインを記載した後、看護問題ごとに症状や現在の問題点、利用者の状況、日常生活動作の状況等について詳しく記載します。
看護・リハビリテーションの内容
看護・リハビリテーションの内容の欄には、訪問時に提供した看護の内容を詳しく記載します。
バイタルサイン測定や症状の観察、清潔ケア、摂食ケア、睡眠ケア、皮膚ケアなどはもちろんのこと、リハビリテーション、医療器具の管理、また精神的支援や介護相談、家族指導などについても記載します。
家庭での介護の状況
家庭での介護の状況について、新しい情報を記載します。家族等の介護の実施状況はもちろんのこと、必要に応じて健康状態や療養環境等についても記載しましょう。具体的には、「家族が介護に負担を感じている」「問題なく介護が実施できている」「複数名の家族の協力が得られている」等です。
衛生材料等の使用料および使用状況
衛生材料等とは、在宅療養に必要な医療器具や材料のことで、栄養カテーテルや吸引カテーテルなどがこれに該当します。在宅療養に必要な衛生材料等は基本的に主治医が提供することとなっているため、どのようなものをどれだけ使用したかについて主治医に報告する義務があります。
衛生材料等の名称、1か月間における使用及び交換頻度、使用量について正しく記載しましょう。
衛生材料等の種類・量の変更
衛生材料等の種類や量について変更の必要性を感じた場合に記載します。変更内容をわかりやすく記載し、主治医に変更の依頼を行います。
特記すべき事項
上記項目以外に主治医に報告すべき事項がある場合は、特記すべき事項の欄に記載します。特に記載することがない場合には、週に何回訪問しているか、何曜日に訪問しているかについてのみ記載しましょう。
作成者・職種
最後に、訪問看護報告書の作成者と職種、記載年月日と事業所名を記入します。
訪問看護報告書の提出に関するルール
訪問看護報告書の作成が完了したら、できるだけ速やかに主治医へ提出します。提出期限や頻度について明確な決まりはありませんが、月末までに1か月分の情報をまとめ、翌月のなるべく早い段階での報告が望ましいでしょう。
利用者の病状や状態が安定している場合には、利用者が主治医のもとを訪れる機会がないことも考えられ、主治医は訪問看護報告書を通じてしか利用者の状況を把握できないことがあります。
そのため、訪問看護指示書作成時には利用者や家族の状況をわかりやすくまとめ、提出が滞らないように注意する必要があります。
訪問看護報告書作成には『iBow』
訪問看護では、訪問看護報告書だけでなく、利用者の日々の看護記録や連携機関への情報提供など、さまざまな記録物を作成する必要があります。一つひとつの記録に時間がかかってしまっては、関係各所への報告が滞ってしまうことも考えられるでしょう。
そこでおすすめなのが、訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』です。『iBow』では、日々の看護記録が自動的に訪問看護報告書へ反映される仕組みとなっており、訪問看護報告書作成にかかる時間を短縮させることが可能です。
まとめ
今回は、訪問看護報告書の概要や書き方、提出の際の注意点などについて解説しました。訪問看護報告書は、主治医と連携して利用者をサポートするために必要不可欠な書類です。
また、報告書の作成は、訪問看護の状況を振り返り、問題点や課題について改めて考える機会にもなります。在宅での看護の状況が主治医に伝わるよう、そして看護の振り返りのためにも、『iBow』を利用して正しく、わかりやすい訪問看護報告書を作成し、毎月の提出を忘れないようにしましょう。