日本の看護師は女性がまだまだ多いのが現状です。そのため出産や育児で看護師をやめてしまう人も多くいます。
しかし子育てが終わったり、パートナーの育休取得などで仕事ができるようになったりしたとき、ブランクがあるため復帰に不安を感じる人も少なくありません。
今回はブランクがある方が安心して復帰するために確認したいことや働ける理由などを紹介していきます。
目次
1 看護師の市場
1-1 訪問看護師の割合
1-2 潜在看護師の割合
2 ブランクがあっても訪問看護で働ける理由
2-1 自信をつけてもらえる環境
2-2 他のスタッフが助けてくれる環境
2-3 家庭と仕事が両立できる環境
3 ブランクで訪問看護に復職した方の実例紹介
3-1 Aさんの事例
3-2 Bさんの事例
4 ブランクで訪問看護ステーションに復職する前に確認したいこと
4-1 勤務体制
4-2 雇用条件
4-3 ステーションの環境
5 『iBow』の無料訪問看護セミナー
6 まとめ
看護師の市場
現在、日本では看護師の市場はどのようになっているのでしょうか。看護師全体の中に訪問看護師がどのぐらいの人数がいるのか、看護師の免許は持っているが離職している方はどの程度いるのか見ていきましょう。
訪問看護師の割合
厚生労働省から出ている「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、令和2年の訪問看護師は約6万人です。
看護師の総数から割合を計算すると、全体の約5%しか訪問看護師はいないことになります。政府はアクションプラン2025において、訪問看護ステーションの機能拡大や全国的な整備が挙げられていますが、全体の10%に満たない状態では難しいのが現実です。
そのため潜在看護師の復職など看護師資格の活用を促していく必要があります。
潜在看護師の割合
看護師の免許を有しているが、さまざまな理由で看護師として就業していない方は2014年で約71万人と推定されています。
この中の1割でも訪問看護ステーションに就業してもらえると、アクションプランの目標人数(約15万人)に達することが現実的になってきます。そのため、復職支援でブランクのある方を対象にwebセミナーや技術指導、職場見学などが開催されている地域が多くあります。
ブランクがあっても訪問看護で働ける理由
ブランク大歓迎など求人でよく目にしますが、訪問看護ステーションで働くためにはどのような環境が良いのでしょうか。ブランクがあっても安心できる理由を見ていきましょう。
自信をつけてもらえる環境
ブランクがあるとどうしてもケア技術やアセスメント能力などに不安を感じてしまいます。
そのためまずは同行訪問という形で訪問看護師に同行し、アドバイスをもらいながら利用者を一緒に見ながらケアやアセスメントを行っていきます。そうして少しずつ慣れていき、成功体験を重ねて自信をつけていける環境が訪問看護にはあります。
他のスタッフが助けてくれる環境
どうしても子育てや出産などライフステージにより、現場を離れなくてはいけない場合があります。
そんなときにも他のスタッフがカバーしてくれる環境や体調面で訪問できないときでも助けてくれる環境があると一度離れても戻ってきやすくなります。
家庭と仕事が両立できる環境
結婚をして家庭を持つと独身の時とは違い、ライフイベントが増えてきます。そのため転職を考えたり悩んだりする方も多いでしょう。復帰する時にも働き方を柔軟に対応してくれる環境であれば家庭も仕事も両立してできます。
ブランクで訪問看護に復職した方の実例紹介
実際にブランクを経験し、訪問看護師として現場に出ている方の様子を紹介します。
Aさんの事例
Aさんは病棟で7年経験した後に夫の転勤などで9年ほどブランクを経て、訪問看護に再就職し復帰しています。
始めに介入しやすい利用者から担当させてもらい、先輩のスタッフに同行することで訪問に慣れて今でも楽しく訪問できているそうです。スタッフが気持ちよく働けることが、気持ちよく利用者やその家族と関わるために大切だと話されています。
Bさんの事例
Bさんが始めに感じた訪問看護の印象は、やりがいがあるけど大変そうで経験が浅いので怖いというイメージがあったと話されています。
Bさんが学生時代には在宅看護論という教科がなく病院での看護が一般的なころ、患者と時間をかけて向き合いたいという思いが明確になって訪問看護へ進みました。
ブランクが長かったBさんは不安が大きくいろんな思いがありましたが、所長やスタッフの支えで心が軽くなったり、適切な判断ができなかったときには事務所に戻ってミニカンファレンスをしたりしました。
自分一人ではないんだという安心がこれでいいんだという自信にもつながっていきましたと話されています。
ブランクで訪問看護ステーションに復職する前に確認したいこと
訪問看護ステーションにブランクを経て復帰する前に確認しておきたいことを見ていきましょう。何も確認せずに復職してしまうと、ライフバランスが崩れたり再離職に繋がったりするため気を付けたいところです。
勤務体制
勤務体制がどのようになっているのか確認しましょう。
訪問看護ならではのオンコール体制はどうなっているのか、勉強会や研修などの参加は必須なのか、勤務時間はどのようになっているのか、残業は月にどのぐらいあるのかなど自分の生活に即した勤務体制が整っていることを確認する必要があります。
見学をしたときに担当者へ確認することは悪いことではありませんので、しっかりと聞いて応募するか決めましょう。また遅出や早出、オンコールで夜中の出動などもあるため、家族への仕事内容の理解は必須になってきます。
雇用条件
トラブルになりやすいのが雇用条件です。時短勤務が可能と言われたが実際には残業が多く帰りが遅くなったり、病棟経験などの臨床経験があるからと即戦力にされたりということもあります。
復帰するときに雇用契約書をしっかり見て、契約書に記載されていないことは質問しましょう。契約書を担当者と一緒にしっかり確認して、相違がないようにすることでその後の働きやすさが変わってきます。
ステーションの環境
訪問看護ステーションの環境は、ステーションによってかなり差があります。ICTをしっかりと取り入れて電子カルテを導入したり、経験が浅い方でも学びの場を設けて教育したりするところも多くなってきました。
紙カルテの全てが悪いわけではありませんが、どうしてもステーションに戻らなければならないことが多く、利用者宅への訪問時間が遅くなり、自宅から遠いステーションに一度戻ることになると、さらに帰宅時間が遅くなります。
また管理者が高齢になることや過労のため、役割をふられることもあるでしょう。キャリアアップになり、やりがいや活躍の機会になるかもしれませんが苦労も増えるため慎重に考えましょう。
『iBow』の無料訪問看護セミナー
訪問看護になると自身で学びなおしたり、実際に利用者から学んだりすることもあります。現場で見つけた疑問をそのままにしておくのはもったいないことです。
ブランクがあると知識が少ないのではないか、経験したことができなくなっているのではないかと不安になる方も多いと思います。『iBow』では無料勉強会や訪問看護の基礎知識など役立つ情報を数多く発信しています。
訪問看護についてもっと勉強したいという方は参加してみてください。
まとめ
ブランクを経て復帰するということはとても勇気がいることです。自分が行っていた看護技術のエビデンスが変わっていることや技術が衰えているのではないかと不安が大きく、一歩が出ない方も多いのではないでしょうか。
訪問看護はゆっくりと利用者を見ることができ、同行訪問などでしっかりとブランクをフォローしてもらえる体制が整えやすい環境です。何年までに復帰しなくてはならないという決まりはありません。ナースセンターなどを活用し、焦らず自分に合った訪問看護ステーションを探してみてください。
通信制講座などを利用して学びながら、現場で訪問看護の楽しさを実感してください。