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2026年10月25日(日)
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No279.訪問看護における注射の実施と注意点

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No279.訪問看護における注射の実施と注意点

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訪問看護師は、利用者の日常生活援助以外にも、主治医の指示に基づいてさまざまな医療行為を行えます。注射もそのうちの一つです。そこで今回は、訪問看護における注射の実施方法と注意点について解説します。

目次
1 訪問看護における注射の種類
 1-1レベル1
 1-2レベル2
 1-3レベル3
 1-4レベル4
2 訪問看護における注射の保険
3 訪問看護における注射の注意点
 3-1注射を安全に実施するための知識・技術を身につける
 3-2リスクマネジメントを行う
 3-3主治医と連携を図る
4 もし医療ミスが起こったら
5 『iBow』の注射・点滴指示について
6 まとめ

訪問看護における注射の種類
訪問看護における静脈注射の種類は、一般社団法人全国訪問看護事業協会(以下日本看護協会)と一般財団法人 日本訪問看護振興財団の「静脈注射の実施に関する指針」によって定められています。指針内では看護師がレベル1~レベル4に分類され、レベルごとに対応可能な注射の内容が異なるため注意が必要です。

レベル1
レベル1は、臨時応急の手当として看護師の判断で行って良いものとされています。利用者のリスクを回避し、安全・安楽を確保する目的です。

・緊急時の末梢からの血管確保
・異常時の中止、注射針(末梢静脈)の抜去

レベル2
レベル2は、医師の指示に基づいて看護師が実施できる注射の範囲で、具体的には以下のとおりです。

・水分、電解質製剤の静脈注射、短時間持続注入の点滴静脈注射
・糖質、アミノ酸、脂肪製剤の静脈注射、短時間持続注入の点滴静脈注射
・抗生物質の静脈注射、短時間持続注入の点滴静脈注射(過敏症テストによって安全が確認された薬剤)
・輸液ボトルの交換、輸液ラインの管理
・上述薬剤投与時のヘパリンロック、生理食塩液ロック
・中心静脈カテーテル挿入中の患者の輸液バッグ交換、輸液ラインの管理
・中心静脈カテーテルラインからの上述薬剤の混注

レベル3
レベル3は、医師の指示に基づいている、一定以上の臨床経験と専門の教育を受けた看護師であるといった条件に該当する場合のみ実施が認められている注射です。

・末梢静脈留置針(カテーテル)の挿入
・抗がん剤等、細胞毒性の強い薬物の静脈注射、点滴静脈注射
・循環動態への影響が大きい薬物の静脈注射、点滴静脈注射
・麻薬の静脈注射、点滴静脈注射
・ヒューバー針のポート(リザーバー)への穿刺、抜去

レベル4
レベル4は、看護師では実施できません。

・切開、縫合を伴う血管確保、およびそのカテーテル抜去
・中心静脈カテーテルの挿入、抜去
・薬剤過敏症テスト(皮内反応を含む)
・麻酔薬の投与

訪問看護の場には医師が同席しておらず急変時の対応が困難であることから、レベル2に該当する薬剤の場合も、レベル3の知識や技術を有した看護師が行うことが望ましいとされています。

訪問看護における注射の保険
2004年、診療報酬に「在宅患者訪問点滴注射管理指導料」が追加された際は、医療保険で訪問看護を受けている利用者のみ、点滴注射にかかる手数料+薬剤料を合わせて請求できました。しかし2012年の診療報酬改定において、介護保険で訪問看護を利用している場合にも、訪問看護指示書に注射の内容が記載されていれば、注射の実施が可能となりました。

訪問看護における注射の注意点
注射は、正しく管理しなければ医療事故につながる可能性のある医療行為です。そのため、訪問看護ステーションにも、そして訪問看護師個人にも、万全な対策と細心の注意が求められます。

注射を安全に実施するための知識・技術を身につける
まず、看護師一人ひとりが、注射を安全に実施するための知識や技術を十分に身につけることが重要です。日本看護協会は、看護師が静脈注射を安全に実施するために必要な知識・技術として、以下の内容を掲げています。

・患者の状態に関するアセスメント
・治療方針を理解するための知識
・解剖、生理学
・薬剤に関する知識(薬剤の作用、副作用、投与方法、標準的使用量、配合禁忌、薬剤管理)
・副作用への対応
・緊急時の対処方法
・安楽の確保、最小限の苦痛で実施する技術
・合併症の予防
・安全対策、事故防止対策
・感染対策
・器具、器材の適切な選択、取り扱い、管理
・倫理的配慮
・患者教育
・家族教育

ステーションは、看護師がこれらの知識・技術を身につけられるよう、勉強会や研修などをとおして学習の機会を提供するようにしましょう。

リスクマネジメントを行う
訪問看護において安全に注射を実施するためには、リスクマネジメントが必要不可欠です。在宅においても、針刺し事故や投与薬剤ミス、カテーテル類の事故抜去や薬剤の血管外漏出など、注射にまつわる緊急事態が発生するリスクがあります。

その際、医師がいない場合が多く設備も整っていないため、看護師が適切に対応できなければ利用者が危険にさらされてしまう可能性があります。万が一に備えた初期対応方法やアルゴリズムをまとめておき、看護師が冷静に対応できるような備えが必要です。

主治医と連携を図る
在宅における注射は、主治医との連携が欠かせません。ステーションや看護師は、常に主治医と連絡を取れる体制を作っておき、注射前後の利用者の様子の報告はもちろんのこと、指示内容に疑問がある場合には率直に相談することが大切です。

また、薬剤の種類や投与量の間違いを防ぐためにも、薬剤に関する指示は必ず書面で指示を受けるようにしましょう。そして、準備する際・投与直前・投与直後の3つの場面において、指示内容と実施内容に相違がないか確認します。

もし医療ミスが起こったら
万全の対策を施しても、ミスが起きてしまう可能性はゼロとはいえません。トラブルが起きたら、まずは利用者の安全確保が第一です。初期対応を行ったのち、速やかに主治医や他の看護師に報告しましょう。主治医から処置などの指示がある場合には、それに従って冷静に対応しましょう。

『iBow』の注射・点滴指示について
訪問看護専用電子カルテシステム『iBow』では、点滴注射指示の管理が可能です。『iBow』は、端末を利用して、いつでも、どこでも指示内容の確認が可能であるため、利用者の自宅にいても指示内容と実施内容の確認が滞りなく行えます。医師に対し指示書の交付依頼書も作成できるため、主治医との連携もスムーズです。

まとめ
今回は、訪問看護における注射の実施について解説しました。

訪問看護においては、医師の指示に基づいて看護師が注射を行うことが認められていますが、利用者に侵襲があることや、投与ミスによって重大な事故につながる可能性があることから、細心の注意が必要です。リスクマネジメントを徹底したうえで『iBow』を活用し、最低でも3回は指示の確認を行うよう心がけましょう。


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