看護師の中には、妊娠・出産を経験している方もいるでしょう。病院勤務を辞め、育児が落ち着いてから訪問看護へ転職するという方もいますが、中には訪問看護師として働きながら妊娠・出産を経験している方もいます。
では、仕事と妊娠・出産をどのように乗り越えればよいのでしょうか。ここでは、妊娠をしたらどうするべきか、また訪問看護ステーション側はどのように対応するべきか解説していきます。女性の多い職場だからこそできる働き方を考えていきましょう。
1訪問看護師が妊婦になった時の配慮
1-1早めに報告する
1-2身体に負担のかかる訪問業務を避ける
1-3オンコールを避ける
1-4自転車・自動車の運転をしない
1-5制度を理解しておく
2妊婦時のお悩みあるある
3働きやすい環境づくりに『iBow』
4まとめ
訪問看護師が妊婦になった時の配慮
はじめに、訪問看護師が妊娠したと分かった時にするべきこと、してはいけないことを把握しておきましょう。
早めに報告する
まずはじめにするべきことは、妊娠の報告です。妊娠が分かった時点ですぐに管理者やリーダーなどに報告しましょう。現在の周期、出産予定日、体調、医師の指導がある場合はその旨も伝えます。
体調が変化し、人によってはつわりや倦怠感、頭痛、腹痛、イライラなどさまざまな症状が現れます。
つわりは早いと4週頃、安定期に入る20週頃まで続くといわれています。忙しい仕事のため言い出しにくいと感じる方もいますが、つわりがひどい時は仕事を休ませてもらいましょう。
体調が悪くなり仕事に支障が出てしまうと、利用者やステーション全体に影響する可能性があります。仲間のスタッフが快くフォローできるように、早めに報告しましょう。
身体に負担のかかる訪問業務を避ける
身体に負担のかかる訪問業務は避けたいところです。利用者の入浴やおむつの交換など介助で力が必要な業務がある場合は、複数のスタッフで訪問するか、担当を変更してもらいましょう。
また、利用者宅は病院のようにベッド周りのスペースが確保されているとは限らず、お腹が大きくなると動きにくくなったり体勢がとりにくくなったりすることも考えられます。前屈みなどの姿勢が続く場合は、椅子をお借りしてケアを行うなど無理をしないようにしましょう。
自転車・自動車の運転をしない
訪問業務の移動にも注意が必要です。自転車やバイクでの移動は、お腹が大きくなるとバランスを崩しやすく転倒や事故を起こすリスクもあります。自動車も、お腹が大きくなることで足元が見えにくくなるほか、乗り降りにも負担がかかるでしょう。
また気分が悪くなると不注意になりやすく危険です。少しでも体調が悪くなったらすぐに運転を停止して休憩をとれるよう、余裕を持ったスケジュールを組んでもらいます。徒歩の場合も余裕のあるスケジュールで、荷物をできるだけ減らしていくことも大切です。
妊娠中は、訪問業務ではなく内勤または在宅勤務に変えてもらい、訪問スタッフのサポートとしてデスクワークのフォローを行う方法もあります。
オンコールを避ける
オンコールは何もなければよいですが、深夜の電話対応、場合によっては緊急対応・措置が必要になることもあります。
妊娠中は何よりも母体とお腹の赤ちゃんが最優先です。車移動のリスクや身体への負担を考えると適任ではないため、妊娠中のオンコールはしないようにお願いしましょう。
制度を理解しておく
妊娠した場合は、スタッフがどのようなサポートを受けられるか理解しておきましょう。男女雇用機会均等法では、妊娠した女性の健康管理措置、職場での保護規定が設けられています。
その中の一つに妊婦健診の時間の確保義務があります。妊婦健診は母子の健康状態を確認するもので、基本的に妊娠23週までは月1回の割合、35週までは2週間に1回、36週からは週1回と受診回数が規定されています。
また「妊娠中の通勤緩和」「妊娠中の休憩に関する措置」「妊娠中または出産後の症状などに対応する措置」も規定されており、使用者側が短時間労働や直行直帰、スケジュールの調整などサポートを講じるよう義務づけられています。
たとえば9時~18時の勤務時間を10時~16時にする、週5勤務を週3~4勤務にするなどの措置です。また訪問件数は一人あたり一日4~5件のところが一般的ですが、妊娠期間中は2~3件にとどめ、移動も公共交通機関を利用するように配慮するのもよいでしょう。
法律ではステーション側でサポートの基盤をつくることが規定されていますが、妊娠中のスタッフも自らサポートをお願いする姿勢が大切です。「つわりがひどくて朝の通勤が難しい」「お腹が張るので休憩を長めにとりたい」など状況をきちんと説明しましょう。
お腹の張りや出血などの症状がある場合は、受診して医師の指示に従いその旨を管理者などに報告して調整してもらいます。
妊婦時のお悩みあるある
妊娠はライフイベントの一つとして本人や周囲の方たちにとっても喜ばしい話ですが、働いている女性特有の悩みがあるのも事実です。
中でも体調の変化は自分で制御できない悩みで、つわりやお腹の張りだけでなく血行不良による冷え、ホルモンバランスの乱れなどによるイライラ、立ち仕事でのむくみなどが起こるケースもあります。
体調が悪い時に我慢すると、仕事に集中しにくくミスも起こりやすくなります。
また仕事と子育ての両立に関する悩みもあるでしょう。夫や親のサポートが受けられない場合はどうすればよいか、いつ復帰するか、また復帰後に仕事についていけるのかなど人によって不安もいろいろあります。
そして職場に迷惑をかけていないかという不安は、働く女性にとって大きな悩みの一つになっているのではないでしょうか。
職場に迷惑がかかってしまうことを恐れて報告を先延ばしにしてしまったり、他のスタッフに負担がかかることに罪悪感を覚えて悩んだり、それが嫌で退職してしまうケースもあります。
これらの悩みは、ストレスとなってお腹の子どもに影響する可能性があるため、一つ一つ向き合って解決していきましょう。
たとえば訪問業務の代わりに、計画書や帳票の作成などデスクワークのフォローに回ることもできます。
また仕事と育児の両立には、保健師、助産師、妊娠・出産を経験したスタッフに相談してみるのもよいでしょう。プロの女性たちが揃っている職場だからこそ、積極的にアドバイスやサポートを求めることも仕事を継続する力になります。
迷惑をかけることに悩んでいるのであれば、そういった思いも打ち明けてみてよいのではないでしょうか。リーダーに相談して、無理のない範囲で仕事を割り振りしてもらうことも可能です。
とはいえ妊娠中は、どうしても周囲の助けが必要です。職場はもちろん、家族や行政のサポートなども活用しながら妊娠・出産を乗り切ることを考えましょう。
働きやすい環境づくりに『iBow』
スタッフのライフイベントに対応し、継続して働きやすい環境をつくるためには妊娠中のスタッフ、周囲のスタッフそれぞれの助け合いが必要です。ステーション側も、職場の状況に応じて制度の導入やシフトの変更などいろいろな措置を講じなければなりません。
そこでおすすめなのが、訪問看護専用電子カルテ『iBow』です。『iBow』は、スマホやタブレット上の項目に沿って入力していくだけで日々の看護記録を完了できます。
簡単な操作で訪問先や移動時間を使ってできるので、時間の短縮につながるほか直行直帰や在宅勤務にも対応します。
また日々の記録は各帳票と連動しており、転記作業をなくし帳票作成を効率化できるのも大きな特徴です。細かな情報でも簡単に記録・共有ができるので、管理者やスタッフの作業工数や業務負荷を大幅に削減することができます。
まとめ
訪問看護の仕事は、重労働といっても差し支えありません。妊娠が発覚したら、ほかのスタッフがフォローできるように早めに伝えるのがポイントです。
元気な赤ちゃんを産んで職場に復帰したら、他のスタッフやステーションをサポートする立場になることもできるので、困った時はお互い様と考え妊娠中は可能なサポートを求めましょう。
女性の多い職場ならではの悩みに寄り添い、安心して働ける職場環境をみんなでつくっていくことが大切です。